高齢者性犯罪の知られざる実態

高齢化率は22.8%を記録し、高齢化社会を突き進む日本。だが、その人口比以上の伸び率で増え続けているのが高齢犯罪者の存在だ。彼らはなぜ安易に犯罪に手を染め、「闇老人」と化してしまったのか。取材を進めていくと、その背景に潜む意外な事実があった。高齢者を犯罪者に仕立て上げる、驚愕のメカニズムが今、明らかに!

【高齢ストーカー、施設内の性的暴行など。高齢者性犯罪の知られざる実態】

 警視庁の統計によると、60歳以上でストーキング行為をした者は’09年度で52人。07年度と比べ、4倍以上という急増ぶりを見せている。また今年4月には、共に63歳の女性が40代の男性にストーキング行為をしたとして、京都府と香川県で逮捕されるなど、高齢者のストーカー事件が相次いでいる。

 都内の女子大生の横山香奈美さん(仮名・22歳)も、高齢者によるストーカー被害に遭った一人だ。

 彼女が、バイト先のパン屋のイートインコーナーに居座る70歳代の男から、毎日ジットリした視線が注がれていることに気づいたのは昨年春のこと。その後、終業時間を見計らって帰路をつきまとうなど、ストーカー行為はさらにエスカレートしたため、彼女は店長に被害を打ち明けた。だが……。

「『老人のお客を追い出したりしては店のイメージが悪くなる。我慢してくれ!』と、何もしてもらえませんでした」(横山さん)

 結局、横山さんはアルバイトを辞めたが、男は自宅にまで押しかけるように。だが、度重なる通報に警察官はこう言い放ったという。

「あのおじいさんは身寄りがなく、あなたのことを孫のように思っているだけで危険はない。冷たくしたらかわいそうじゃないか」

 その後も、自宅には「独りで死にたくない」「死んでも空から見ているから」などと書き連ねた手紙が大量に届き、「逃げるように引っ越しするしかありませんでした」(同)と嘆く。

◆施設内で行われる高齢者の性暴力の実態

 高齢ストーカーが横行する一方、「性犯罪が常態化」している現場もある。それは、高齢者の福祉施設だ。

 入所者の8割が認知症という特別養護老人ホームに勤務する看護師Fさん(32歳)は、もはや大抵のことでは驚かなくなったという。

「おじいちゃんに下着の中どころか、性器に直接手を突っ込まれるぐらいで凹んでいたら、特養の看護師は務まらない。私も最初は半泣きになりましたけど、今は毎日胸を触られても手をひっぱたいてストレス解消しています。認知症の場合は体力があり余っていることが多く、頭だけ小中学生になっちゃうような感じだから欲望にストレート。でも、もっと深刻なのはケアハウスですよ」

 ケアハウスとは、生活に足りるだけの身体能力のない高齢者が入所する共同生活施設のこと。特別養護老人ホームの認知症老人などは性的な暴行が女性職員に向かうのに対し、ケアハウスでは入所者同士で発生することが多いという。

「配偶者を失って入ってくる入所者も多く、痴情のもつれを原因としたトラブルはしょっちゅう。私もここにくるまで老人は、穏やかという幻想がまだまだあったけど、とんでもなかった」(ケアハウスの女性職員・Sさん)

 彼女の勤めるケアハウスは男女30人ずつが入所しているが、月に2~3回は傷害事件が発生する。

「事件は男性同士、女性同士が同数程度。女性同士の掴み合いのケンカも意外に多いんですが、ほとんどが恋愛がらみ。また、男女間での暴行事件は、私が働いている施設だけで性的嫌がらせが3件。女性側が強姦だと騒ぎ立てたが真偽(男性との合意があったかどうか)の不明なものが1件ありました。この場合、職員側は男性と女性が交際していると認識していたのですが、性的嫌がらせや強姦があっても恥の意識から被害を訴え出ない場合がほとんどなので、件数はもっとあるはず」(Sさん)

 果たして告発されていない高齢者の性犯罪は、どれだけ潜在しているのだろうか。

― 犯罪に手を染める[闇老人]が急増中【4】 ―





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