恋愛・結婚

“いとこ同士で結婚”した夫婦の苦悩。優しい祖母に「穢らわしい」と言われ…親戚に認めてもらうまで「3年かかった」

家業で3年働き、認めてもらったものの…

 ふたりの親も認めてもらおうと奔走したが……。 「それぞれの両親が結婚を許して欲しいと頭を下げたそうですが、いっさい聞き入れてもらえませんでした。ふたりは親戚の集まりにも参加できなくなって、両親たちから『あきらめた方がいい』と言われてしまい……。佳奈ちゃんはショックで痩せ細ってしまうほどでした」  その状況に奮起したのが宏明さんだった。 「ひろちゃんは働く姿を見てもらったら変わるのではと考え、仕事を辞めて家業で働き始めたんです。下っ端の仕事から始めて3年経って、ようやく結婚を認めてもらえた形でした。報告を受けた時は、自分ももらい泣きしてしまうくらいにうれしかったですね。ただ、佳奈ちゃんが楽しみにしていた結婚式は許可をもらえず、行うことはできませんでした……」

あらぬ誤解によって気まずい雰囲気が…

 困難を乗り越えての結婚だったので、ふたりは仲睦まじい結婚生活を送っていた。だが、ある年の正月に不安になる出来事があった。 「ひろちゃんがいつものように正月の親戚の集まりに参加したところ、佳奈ちゃんの両親の様子がひどく冷たかったそうなんです。しかも、ひろちゃんの両親にも冷たくて、不可解に思うほどだったそうで……」  その理由は後に判明した。 「佳奈ちゃんは、ひろちゃんが職場の後輩と浮気しているのではないかと疑っていて、両親に相談していたらしいんです。それで態度が冷たかったそうでした。ひろちゃんは浮気なんてしていなかったので、誤解が解けて関係は元に戻ったんですが……。ひろちゃんはもしも離婚することになったら、同じ家業をやっていることもあり、家族を巻き込んだ大ごとになると不安に思っているそうです」  距離が近いからこその難しさもありそうないとこ婚。ふたりには末長く幸せに暮らしてほしいと願うばかりである。 <TEXT/和泉太郎>
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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