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「結婚したがらない」男子校出身の東大生たち。中学受験で人気の“男女別学”に潜むリスクとは

東京大学出身者の婚姻状況

東京大学 ただし、荒川氏は続いて「男女間の賃金格差がなくなれば、稼ぐ女性は自分より稼がない男性を結婚相手とみなさなくなるだろう」とも記しています。  東京大学大学院教育学研究科によるレポートでは、世代別に分かれた東京大学出身者の婚姻状況が調査されています。これによれば、1970年代生まれまでは男女で婚姻率に差があり、男性のほうが高くなっていますが、1981年生まれを境に逆転し、女性の婚姻率のほうが高くなりました。  キャリアデザインの都合上、男女関係に時間を割く余裕がなくなり、結婚していないだけともとれますが、私は「女性のキャリア向上」と「男子校通いの副次効果」が相乗したのではないかと考えました。  男子校出身の東大卒が結婚に消極的になりつつある上に、女性の賃金も上昇してきているため、同じ社会階層の女性に相手にされなくなりつつあるのではないか。  そう考えると、冒頭紹介した僕の友人も、もしかしたら「婚姻に対するネガティブな感情」が様々な経験や知識によって味付けされ、「反出生主義」の形をとって出てきたのではないかと思えてしまいます。

人気の“男女別学”に潜むリスク

 昨今過熱する中学受験では、変わらず男女別学が人気です。男子校なら灘や開成、女子高なら桜蔭や女子学院中学など、御三家と呼ばれる中高一貫校はどれも男女別学。人気の理由は、東京大学をはじめとする「一流大学」への進学率が著しく高いからでしょう。  子どものキャリア形成を案じる気持ちは多少わかります。ですが、「一流校を目指させる」理由の一つは、より安定した収入や社会的地位を得て、家庭を築く助けとしてほしいからではありませんか。  もしそうならば、男子校に通わせることによって婚姻に消極的になるリスクも鑑みなくてはいけません。  仮に「子どもに幸せな家庭を築いてもらって早く孫の顔が見たい」と考えて、進学実績の良い男子校に子どもを送り込んでも、その選択が一生独身を貫かせる後押しになるなら本末転倒でしょう。  東大に行くだけなら、本人に十分な能力と努力さえ伴えば、どこからでも行けます。目先の実績につられて男女別学の学校に通わせるべきか、第一に子どもの未来を見据えて、今一度考えなおすべきではないでしょうか。
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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