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なぜか深夜のラブホに“赤ちゃんを抱えて”来店した男女。元ラブホ従業員が語る奇妙な客――仰天ニュース傑作選

どう見ても幽霊には思えないので…

赤ちゃん その男女は、とても幽霊には見えない現代的な出で立ちで(少なくとも筆者がイメージする“幽霊”のフォルムとは大きく違っていました。今風の格好をした幽霊もいるのかもしれませんが)、特別不審な様子も特には見当たらないので、筆者は「大丈夫ですよ」とだけ伝えました。  とはいえ、深夜帯に赤ん坊を連れてラブホに来るのは、常識的に考えて普通ではありません。本当に入室させていいものなのかと悩みましたが、何かのっぴきならない事情があってここに来たのかもしれないと筆者は考え、そのまま入室させることにしました。  男女のペア(+赤ちゃん)が入室した後、筆者は突如、昔ニュースで見た事件を思い出しました。  子連れのシングルマザーが彼氏と一緒にラブホテルに入り、女性の連れ子の乳児に男性が致死量を超える覚醒剤を投与し、死亡させたといった内容のものです。  もしもそのような事件が起きたらたまったものではありません。筆者は無事に彼らがチェックアウトすることを願うばかりでした。

結果、何事もなく退出したが…

 その後、特に何事もなく時間が過ぎ、朝早くに男女のペア(+赤ちゃん)はチェックアウトを済ませました。  退室の際に、赤子を抱えた女性から「本当にありがとうございました」との言葉をかけていただき、心の底から安堵したことを今でもはっきりと覚えています。  しかし、想像以上にまともな方々だったぶん、より一層深夜にラブホを利用した理由が気になるところです。ただそれだけの、オチのない話ですが、とても不思議な出来事でした。
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“なにか”を見てしまったらしい
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およそ6年にわたり、渋谷区道玄坂の激安ラブホにて受付業務および清掃業務に従事。繁華街で様々な人間を見てきた経験をもとに、迷惑客の存在やスタッフの裏事情などをテーマに執筆(していく予定)。
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