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なぜか深夜のラブホに“赤ちゃんを抱えて”来店した男女。元ラブホ従業員が語る奇妙な客――仰天ニュース傑作選

ものすごい形相でフロントまで…

恐怖 お客様がお部屋に入って10分ほど経ったころでしょうか。ものすごい形相で突然フロントまで大急ぎで降りてきました。あまりにも怯えている様子だったため、筆者が「いかがなさいましたか」と尋ねるや否や、 「部屋に人がいますよ!」  と叫ぶお客様。別の客が間違えて部屋に入ってしまったのかと筆者は考えましたが、そんなことはまずありえません。その日のその時間帯に客室を利用していたお客様は、彼ともう一組のカップルしかいませんでしたから。おまけに、他の方が入室している状態で10分も滞在するはずもありませんし……。  とにかくそのお客様は部屋で突然“なにか”を見てしまい、慌てて退室したという“事実”だけがそこにはありました。  お客様が退室した直後にデリバリーの方が来たのですが、お客様が退室した理由を話すと、怪訝そうな顔をしてその場をあとにしました。きっとワケがわからなかったはずでしょうし、筆者自身も彼女と同様、ワケがわかりませんでした。

極寒の中、置き忘れたダウンジャケット

 清掃スタッフがその問題の客室に向かい、しばらくしてフロントに降りてきました。「なにか変なことあった?」と聞くと、「特にない」と答える清掃スタッフ。部屋を汚した形跡もないとのことでした。 「ただ、忘れ物はありました」  清掃スタッフがポツリと言います。彼女(清掃スタッフは外国人の女性)の手には、いかにも防寒性がありそうな「カナダグース」のダウンジャケットが握られていました。  だいたい10万円前後はするブランドです。これを忘れるほど大急ぎで退室したお客様。果たして何を目撃したのか、真相は薮の中ですが、とにかく“ヤバい”経験をしたことは間違いありません。  後日、そのお客様が真昼にダウンジャケットを取りにきたと、別のスタッフから伝えられました。「なにか変わった様子がありましたか?」と筆者が聞くと、「特にない。ただ急いでる様子だった」との返答がありました。  幸い筆者自身は心霊現象に遭遇したことはございませんが、筆者が勤務していたラブホテルには確実に“なにか”がいたと考えると、今でも身震いしてしまいます。 <文/和田ハジメ>
およそ6年にわたり、渋谷区道玄坂の激安ラブホにて受付業務および清掃業務に従事。繁華街で様々な人間を見てきた経験をもとに、迷惑客の存在やスタッフの裏事情などをテーマに執筆(していく予定)。
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