更新日:2024年11月19日 18:19
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牛肉高騰でインフレ気味の牛丼チェーンを尻目に…「かつや」「てんや」「なか卯」“和風丼チェーン”3社の現在地

「てんや」が値上げする中、「さん天」の魅力

さん天

サト・アークランドサービスHD傘下の「さん天」。クーポン商品付きで490円(筆者撮影)

 和食ファストフードといえば、かつ丼だけではなく、天丼も見逃せない。ロイヤルホールディングス傘下の天丼チェーン「天丼てんや」も11月8日より国内店舗で20品を20~30円値上げを断行した。  ロイヤルホールディングスの外食事業の中核を担うロイヤルフードサービス株式会社は外食御三家であるロイヤルホストをコアブランドとして展開する外食企業だ。てんやの運営会社でもあり、価格は少し高めだがこだわりの天丼を提供している。今回の値上げは、お米の価格高騰など仕入れ価格の負担増大が理由で、約2年ぶりである。  一方、SRSホールディングスのグループ会社であるサトフードサービスは自社ブランドである天丼専門店「天丼・天ぷら本舗さん天」も展開している。さん天は、揚げたての海老が2本、それに野菜天も入った「海老天丼」を490円から提供している。  SNSも積極活用し、LINEクーポン、Xクーポン、アプリクーポンも同時に利用できる。豪華な天丼が490円で食べられると好評のようだ。さん天は現在34店舗(FC1店舗)を展開している。人手不足対応としてセルフ店も増やしており、セルフ店は大根おろしも食べ放題など各種サービスも実施中だ。

提供に複雑性が増す天丼、かつ丼

さん天

さん天の天丼(筆者撮影)

 かつ丼や天丼は牛丼のように、単純工程、単純作業で提供できるワンオペとは異なり、提供に複雑性が増す。その上、かつ丼は豚肉の高騰や物価の優等生であるはずの卵が高騰。天丼も、使用する海鮮類が高いだけでなく、天ぷらを揚げる油そのものも高値で推移しており、原価の負担が大きくなっている。  なかには2000円を超えるような高付加価値創造型のかつ丼もあり、そちらはインバウンド客に日本の本場のソウルフードとして大盛況で、これからも人気が絶えることはなさそうだ。  そのかつ丼や天丼を、牛丼と同程度の約500円の価格で提供するのは難しいはずだが、それを実現している各チェーンは顧客からの支持も高い。注文が入ってから揚げてくれ、揚げたての天丼やかつ丼は当然ながらおいしい。
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親子丼のなか卯も存在感を発揮
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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