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『光る君へ』出演の若手俳優・吉柳咲良、”元祖オタク”役に共感「世界を救うと思う」

これからも「答え」を求めて考え続けていく20歳

吉柳咲良 TBS系日曜劇場『御上(みかみ)先生』――ご自身で把握している自分の性格は? 吉柳:基本的に「面倒くさい」ってよく言われます(笑)。 ――どう面倒なんですか。 吉柳:とにかく思考が止まらないんです。何か1つのことが頭に浮かんだら、それについて10深掘りしたいんですよ。ひたすら考えて考えて、書き起こしてはまた考えて……。突き詰めていくうちに派生した思考が意外と答えだったりするんですけど、最近「あなたのそれはもはや哲学だから、答えはないんだよね」と言われて「そういうことか!」と。でも答えをだしたいから、今はいろいろな本を読み始めています。 ――たとえばどんな本を? 吉柳:エッセイがすごく好きで。キム・ユウンさんの『すべての人にいい人でいる必要なんてない』とか、Fさんの『20代で得た知見』とか。 ――吉柳さんは今、たくさんインプットしている時期なんですね。 吉柳:やっぱり、みんな考え方が違うから「理解できない」と遠のけることは簡単にできるし、それも自分を守るために大切な一つの生き方だとは思います。でも、私は否定されたくないし、「間違っている」と言われるのが苦手だから、相手に対してもそうありたいんです。 ――なるほど。 吉柳:ここからが私の面倒くさいところなんですけど、「間違っていることなんてない」と断定している時点でこれも否定なのではないか? と。そう思ったらもう止まらなくて。そんなことが365日ひたすら頭のなかで行われています。なので、常に周りの人たちからは「いったん止まりなさい」と言われてます(笑)。

挫けた分だけ、強い気持ちで挑んてきた

――改めて2024年を振り返るとどんな1年でしたか? 吉柳:てんこ盛りでした。仕事でもプライベートでも大きな成長がたくさんありました。基本的に私、ネガティブ思考なんですけど、その後ろ向きも良い後ろ向きだったと思います。 ――と、いいますと? 吉柳:後ろ向きだからこそ演じられた役との出会いもそうですし、悩んでいるってことは私、今、しっかり考えられているんだと思うし。後ろ向きだけど確実に前へ進んできたと言える1年でした。無理に前向きである必要なんてなく、自分は自分のままでいいんだって。 吉柳咲良 TBS系日曜劇場『御上(みかみ)先生』――では、2025年はどうしたいですか。 吉柳:大きな目標としては「幸せになりたい」です。「このままでいい」という自分を受け入れただけではまだその先には進めていないと思うし、それが怠惰にならないよう気をつけたいです。 自分を大切にするのと同じくらい他人も大切にしたいので、自分が悩んできたことの解決策を見つけつつ、誰かのためにも生きられるようになりたい。あとは、全方向で戦っていける俳優になりたいです。映像作品、舞台、アーティストとして「使える」と思ってもらえる存在になりたいですね。 考えたり経験したりすることが多ければ多いほど、それが知識になってどこかで役立つと思うので、しんどいことだろうが楽しいことだろうが全部経験したいです。とにかくそれが一番です。 ――思考が止まりませんね。 吉柳:私にとって大事な作品の一つでもある『ここは今から倫理です。』の原作をこないだひさびさに読み返して大号泣したんですけど(笑)、そこにでてくるパスカルの「人間は考える葦である」という言葉は一生忘れません。 あと私、自分の生命力だけは信じてます。ゴキブリ並みに強いです(笑)。みんなからはメンタル弱いと思われがちなんですが、めっちゃ体当たりしてめっちゃ傷ついた後でも、もう一回体当たりしていく力だけはあるんです。挫けることはものすごく多いですけど、その挫けた分だけ、這い上がってやる!という強い気持ちで挑んできました。 【吉柳咲良】 ’04年、栃木県生まれ。’16年「第41回ホリプロタレントスカウトキャラバン PURE GIRL 2016」グランプリ受賞。’17年、ミュージカル『ピーター・パン』10代目ピーター・パンとして俳優デビュー。’24年、『Pandora』でソロアーティストデビュー。主な出演作は『天気の子』『ここは今から倫理です。』『アイドル誕生 輝け昭和歌謡』『ブギウギ』『光る君へ』など。最新出演作である日曜劇場『御上先生』は’25年1月TBS系にてスタート <撮影/鈴木大喜 取材・文/中村裕一 スタイリング/hao 衣装協力 ALM.(ブーツ)>
株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter
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