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俳優・小芝風花が越えたいと思う「壁」とは

ドラマやバラエティー、CMなどあらゆるジャンルから引っ張りだこ。その透き通った素敵な笑顔を見かけない日はないと言っても過言ではない、小芝風花。 小芝風花7月13日(土)からは主演を務めるドラマ『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』(日本テレビ系よる9時〜)がスタートした。本作で彼女は全国で2万体にものぼるという身元不明遺体と向き合い、その死の真相を明らかにし、家族や恋人の元へ帰す主人公の捜査官・三田桜を演じる。 新しい役、新しい作品に取り組む姿勢、多忙な日々の中で抱く思い、俳優としての将来像、そしてついに克服した“アレ”について存分に語ってもらった。

形が違う「届けたい」という気持ち

――今回のドラマですが、身元の分からない遺体の思いに寄り添うという、桜の役どころに対する率直な感想を教えてください。 今、撮影をしていて思うのは、身元不明ということは捜査の“ヒント”があまりにも少ないんですね。遺体として発見されたときにお財布やケータイを持っていなかったら名前すら分からないし、名前が分かったとしてもそれが本名かどうか確かめる術もなかったり。なのでその分、何か見落としているものがないか、いろいろな場所に足を運ばないといけない。 桜ちゃんってかなり直感型というか、「こんな優しそうな顔してる人が凶悪犯なはずない!」みたいなことを言って暴走するところもあるんですけど、何かちょっとでも「違う」って引っかかったら、あきらめずにどこまでも追いかけて、“思い”も帰してあげたい、気持ちや心も帰してあげたい、という気持ちがすごく強い人だなって。 ――気持ちを相手に届けるという意味では、俳優という職業にも通じるものがありそうですね。 あまりにも世界が違うから自分とリンクするかというと難しいですけど、私のお仕事は役や作品を通してみなさんに今、私が演じている役がどういうことを伝えたいのか、どういうふうに思っているのかをお届けするものなので、自分のなかだけでなく見てくれている人に「届けたい」という気持ちは、カタチは違うかもしれないけどあるのかなと。
GO HOME~警視庁身元不明人相談室~

©︎日本テレビ

「そばに誰かいて欲しいときにいれる存在でありたい」

――最近は「寄り添う」という言葉をよく聞きますが、小芝さんにとってこの言葉はどういう意味を持ちますか? 「寄り添う」ってひと口で言っても、いろいろな形があるじゃないですか。それこそどこまでもその人の意見を尊重して、傷つかないように壊れないように寄り添うこともあれば、大切で失敗して欲しくないからこそ厳しく言いつつ多少の距離はありながらも、何かあったときに駆けつけられるような距離感で寄り添っている人もいるし。 これが正解というのはちょっと分からないですけど、私にとって大事な人がしんどいときとか苦しいとき、そばに誰かいて欲しいときにいれる存在でありたいなって。 私自身もそんなに交友関係が広いわけではないですが、自分が困ったときとか悩んでいるときに話を聞いてくれる人や、助けようとしてくれる人に救われたことがあって。かと言って常にその人と連絡を取り合ってるわけではないんですよ。 ――わかります。そういう人の言葉ほどなぜか心に沁みるというか。 本当にいざというときに絶対に手を差し伸べてくれる人ってありがたいなと思うし、私は寄り添ってもらっている気がしているので、大事に思う人がしんどいときこそ力になれたらなって思います。そういう人でありたいですね。
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心が休まる時間は編み物に没頭しているとき
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株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter

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