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「地頭がいい人」が“無意識にやっている習慣”。「机に向かった勉強」では身につかないスキルとは

 みなさんの周りに「全然努力していないはずなのに、頭がいい人」はいませんか?  普段頑張って勉強している様子がないのに、仕事ができる、頭がいい、話の呑み込みが早い、理解度が高い……。きっと古くは学生時代から思い当たるであろう「努力しないのに結果を出す人」は、半ば疎ましく、半ば羨ましく思えたのでは。  そういう人は、たいがい「地頭がいい」といった言葉で存在を肯定されます。「自分とは違う人間だから、仕方ない」と考えて、自分を納得させて、自らの努力と結果の不振に折り合いをつけるわけですね。  ただ、本当にそうでしょうか? 同じ人間なのですから、能力の倍率に2倍も3倍も差がつくでしょうか。もちろん遺伝などの差はあるでしょうが、いくら地頭が良くても知らないことは知ることができない。  つまり「地頭がいい人」は、勉強していないようで、勉強しているのです。本人や周りが、それを「勉強」と認識できない形で。これをなるべく詳しい言葉で説明することはできないのでしょうか。  私自身、勉強の習慣がなかったひとり。定期試験の前日に30分~1時間程度ノートを見直すだけで試験に臨みました。しかし、毎回学年10位以内に入り、特待生として学費や施設費など年間100万以上をタダにしてもらっていた。  この程度で「地頭」を語る資格はないかもしれませんが、私も「勉強しないのに結果を出す人」の端くれではあります。その身分から言うならば、私は机に向かった勉強こそしませんでしたが、普段からそれ以外の手段で「勉強」をしていました。  今回は「なぜか勉強しないのに結果を出す人」がやっている秘密の勉強法をお伝えします。
地頭がいい人

※画像はイメージです。以下同

勉強しないで知識を蓄える

 結論から言えば、私が勉強しないのに毎回テストでいい点数をとれたのは、「いろいろなことを知っていたから」となります。問題は「どうやって勉強せずに知識を蓄えるか」。これを説明するために、最適な例が私の経験にあります。  高校生当時、私は生徒会長として、入学式で「歓迎の辞」を読む仕事を任されました。もちろん原稿は手作り。先輩の物を見て形式をまねて作ります。  この中で私は「高校生活に色々不安があるかもしれないけど、たぶん杞憂に終わるから大丈夫ですよ」といった内容の記述を挿入しました。  そして、先生からNGを食らった。理由は「杞憂なんて言葉は、普通の高校生は知らないから」でした。実際に、私のクラスメート(確か当時高3になる直前でした)のほとんどが「杞憂」を知らなかった。  私からすれば常識的な語彙の中に入っていて「人類すべてが知っていてもおかしくない」とすら思っていましたから、大変な衝撃でした。  振り返れば「どこでそんな言葉を知ったの?」といつも問われましたが、自分でも知らないうちに入手したので、説明のしようがなかった。ただ、今から振り返ると、なんとなく推察できます。

文字に憑りつかれていた学生時代

 当時の私は、勉強こそしなかったものの、普段から目にする文章量は、群を抜いていました。文章と言っても、高校生当時は新聞や新書なんて読みません。小説も嫌いでしたし、ビジネス書なんてもってのほか。  ただ、当時から私はとにかく文字に憑りつかれていて、ありとあらゆる日常生活で目にできる文字を読んでいました。  学校配布のプリント(それも親向けの「学校だより」のようなものまで)はもちろん、学校や町中の掲示板や壁に貼ってあるすべてのポスター、掲示、お知らせは全て把握していた。  国語と英語の教科書は、授業で使わない文章まで含めて、すべての内容に目を通しました。家に帰っても、ゲームや漫画、ネットの怖い話や掲示板を漁って、一日に数千~数万文字を読みつくした。ファイナルファンタジー7の「解体新書」という攻略本が特にお気に入りで、ストーリー攻略情報や小ネタはもちろん、スタッフインタビューや各種データまで含めて300ページ以上ある本の、文字通り隅々までを読み込みました。  もちろん、「ゲームの文章がテストで役に立った」なんていいませんが、無駄にもなっていません。中高生が日常会話で使わないような語彙の獲得と、その用法について学べました。知識量はそのまま力になります。
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知識と教養はどう違うのか
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1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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