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害獣駆除業者に聞いた「ねずみが多発する飲食店の見分け方」。ねずみが触れた食材で食中毒のような症状になった事例も

 衝撃を与えたすき家のねずみ味噌汁混入騒動。驚異の繁殖力で増殖し続けるねずみは、一度見かけたら根絶するのは至難の業だという。なじみ深い飲食店での被害実態とは――。

ねずみが多発する飲食店の見分け方とは?

【閲覧注意】⇒粘着シートにかかったねずみたち。「罠にかかったねずみが共食いを始めたのか、粘着シートに皮だけ残っていたことも」  会社員のAさん(40代)が渋谷センター街のとある居酒屋で食事をしていたときのこと。 「頭上でドドッと足音が聞こえたのとほぼ同時に、上からネズミが高速落下。テーブルの上の汁物の椀に入ったんです。あまりの不意打ちに椅子から落ちてしまいました」  そのトラウマから、以来Aさんはセンター街で食事することができなくなったという。だが、ねずみが爆増する都会において、このような事珍しいことではない。  ねずみの怖さは、何といっても病気などの感染被害だ。都内を中心に害獣駆除を行う「害獣BUZZ」の金谷氏は次のように語る。 「ねずみは一匹に数万匹のダニやノミが付着しており、生まれたときから死ぬまで一生汚い生き物なんです。ねずみが触れたりかじったりした食材を口にし、食中毒のような症状になった事例もあります。蕁麻疹ができたクライアントさんもいました」

親指程度の穴でも余裕で通り抜ける

[飲食店ねずみトラブル]一斉捜査

駆除美氏によるねずみ駆除の様子。プロの手で配管など内部を確認しないとねずみは減らない

 飲食店の場合、目の前に現れずとも、ねずみが触れた食材を知らずに口にしてしまう危険性も出てくる。消費者心理としては、やはりねずみの発生が少ない店を選びたいが、見分ける術はあるのか?  金谷氏は「条件に当てはまれば必ずねずみが出るというわけではない」と前置きしながらも、次のようなチェックポイントを挙げた。 「目安となるのは建物の築年数。ねずみは親指程度の穴でも通り抜けできるため、建物の隙間が少ないほうがいいのですが、古い建物は一昔前の建築基準法で建てられている上、老朽化の影響で穴が開きやすくなっています。また、店内が古びていると掃除をしてもキレイには見えないのでサボりがちになってしまうという心理も働くようです。結果的に不衛生な環境をつくってしまい、さらにねずみを呼び込んでしまうという悪循環が生じることもあります」  建物の構造のほか、ねずみの通り道である配管が多く通っている“地下”の店や、油っこい料理を提供する店など、ねずみが好む食材を多く使う場所も対策が必要だという。  また、ねずみ専門駆除業者「東京マウス」の職人で、SNSで駆除の様子を発信する駆除美氏は、次のように傾向を語る。 「飲食店の中でも特にねずみが好むのが調理場。そのため、調理場そのものが広いとねずみが発生するリスクは高まります。また、調理機器の下や床に食べ物のクズが散乱していないか、蓋のないゴミ箱を使用していないかもチェックポイントです」  ねずみを発生させないためには、日々の歯磨きと同様、店舗の清掃を徹底し予防することが大切なのだ。
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ねずみの出現リスクが高まる条件とは?
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