バカリズム脚本『ホットスポット』で大行列の富士吉田。“ドラマ聖地化”の舞台裏で起きていること
バカリズムが脚本を手掛け、大きな話題を集めた冬クールドラマ『ホットスポット』(日本テレビ系)。
同作で主人公・清美(市川実日子)が葉月(鈴木杏)、美波(平岩紙)らと食事をする行きつけの店として1話から登場していた、山梨県富士吉田市にあるレトロな喫茶店『もんぶらん』が聖地と化し、連日行列ができるほどの大盛況。
また、同じく富士吉田市内の『青龍飯店』『いちやまマート』や本町通り、金鳥居にもドラマファンが集まっており、聖地巡礼で賑わっている。
ドラマの聖地巡礼といえば、近年の作品では川口春奈、目黒蓮主演の『silent』(フジテレビ系)でたびたび登場した世田谷代田駅周辺エリア、井上真央や松本潤、小栗旬らが出演した『花より男子』シリーズ(TBS系)に登場した恵比寿ガーデンプレイス、のん(当時・能年玲奈)主演の朝ドラ『あまちゃん』(NHK)の舞台となった岩手県久慈市エリアなどに多くのファンが来訪。
過去の名作ドラマでいえば、『北の国から』シリーズ(フジテレビ系)の北海道・富良野エリア、『3年B組金八先生』シリーズ(TBS系)の東京・足立区の荒川土手エリア、『ロングバケーション』(フジテレビ系)の東京・江東区にある新大橋、『踊る大捜査線』シリーズ(フジテレビ系)の東京・お台場エリアなどが有名だ。
こうした事例から、ドラマの聖地巡礼は観光客の誘致や地域活性化につながるプラス要素しかないように思えるのだが、実際のところはどうなのだろうか?
ドラマ業界の関係者やスタッフ、脚本家にドラマ聖地巡礼についての是非を聞いた。
キー局の元ドラマプロデューサーで現在はコンテンツ部署で働く50代男性社員・A氏は語る。
「プラスになっていることは多いですよ。ドラマ制作側の視点でいえば、昨今は制作費が限られており、凝ったセットを作ることが難しくなっている。なので、実際の店舗や施設を利用できれば予算が浮くというメリットがある。
ロケ地側も喜んでくれていて、『silent』で登場した世田谷代田駅は定期以外の乗降者数が23%増加し、駅周辺の賃貸物件契約数も大幅にアップしたそうです。
また、ロケ地誘致の取り組みを積極的に行うべく、フィルムコミッション事業部を立ち上げる地方自治体も増えており、ロケ地側からオファーがあるケースもあるぐらいです」

日本各地に存在する聖地巡礼の名所
制作側・ロケ地ともにWin‐Winの関係に
テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。
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