柏市の辺境にあるラブホテルは、中世ヨーロッパの城だった/文筆家・古谷経衡
―[独りラブホ考現学]―
独りラブホ考現学/第9回
大青田のなか突如出現する異様な建物
「中世ヨーロッパの宮殿を再現しました」
このホテルの特異なところは、その外見だけではない。24時間365日、所謂都市型ラブホの定番である「休憩(2~3時間)」「サービスタイム」「宿泊」の区別が一切なく、いきなりチェックインしてから「6時間コース」「10時間コース」「16時間コース」の三択以外に客の選択肢はないのだ。
要するにホテル側にとって最も稼ぎ時といえる「土日祝前日」の高料金設定というものが、この物件には一切ないのである。だから例えば土曜日の午後4時にこの物件に入れば、16時間後の翌日朝8時にチェックアウトすればよい。私のような不規則極まりない生活をしている人間にとっては、天の恵みとも呼べる物件である。
しかしそれと引き換えに、立地を勘案すると当然全体的に室料は高め。おおよそ安い部屋で9,000円~、標準よりやや豪華な部屋で12,000円~(共に16時間)となっているが、この自由度を考えれば決して割高とはいえないのだ。
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(ふるやつねひら)1982年生まれ。作家/評論家/令和政治社会問題研究所所長。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科卒。20代後半からネトウヨ陣営の気鋭の論客として執筆活動を展開したが、やがて保守論壇のムラ体質や年功序列に愛想を尽かし、現在は距離を置いている。『愛国商売』(小学館)、『左翼も右翼もウソばかり』(新潮社)、『ネット右翼の終わり ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか』(晶文社)など、著書多数
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