更新日:2025年08月05日 14:14
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「生後7ヶ月で父が他界」…奈緒(30)が明かす“背中を追い続けた母の偉大さ”。人に弱さを見せられるようになったキッカケとは

 高校1年生のときに地元の福岡で芸能活動をスタートさせ、2015年、二十歳で単身上京した奈緒(30歳)。地上波ゴールデン連続ドラマ初主演となった22年の『ファーストペンギン!』(日本テレビ)を皮切りに、主演作が途切れない人気俳優だ。  第二次世界大戦終結80年の今夏は、舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』で主演を務める。日ごろから、凛とした強さを感じさせる奈緒だが、そんな彼女の強さのルーツには、奈緒が「家族みんなの大黒柱でした」と語る“母”の存在があった。 ※舞台名にある“War Bride(戦争花嫁)”とは、第二次世界大戦後、連合国軍占領下の日本に駐留していた兵士と結婚し、兵士の国へと渡った日本人女性のこと。本作のヒロインの桂子さんは、『半沢直樹』ほかのプロデューサー・川嶋龍太郎氏の伯母がモデル。
奈緒さん

奈緒さん

いまの時代になぜ自分が生きていられるのか

——舞台『WAR BRIDE』は、22年にTBSで放映され、翌年TBSドキュメンタリー映画祭でも上映された『War Bride 91歳の戦争花嫁』が原案です。最初に、こうしたお話がきたとき、どのような思いがありましたか? 奈緒:お話をいただいたときに、映画を見せていただきました。私自身の祖父も、戦争に行って帰ってきた人なので、小さな頃から戦争はとても怖いものだと感じてきました。生まれも九州の福岡のため、子どもの頃から長崎の原爆資料館にも足を運びましたし、もともとは福岡に落ちる計画があったという話も聞いていました。 ——ではもともと取り組みたいテーマのひとつだったのでしょうか。 奈緒:戦後80年ということもありますが、自分自身、歳を重ねるにつれて、戦争というテーマについてもっと深く知らなければと思っていました。今の自分の生活や、幼い時に自分がたくさんの選択肢を持てたことに関しても、そうした時代になぜ自分が生きていられるのかを紐解くためにも、深く向き合わなければいけないと思っていました。こうした作品を舞台で取り組めることは、自分の人生において大きなタイミングだと感じます。また、家族ということも大きなテーマになっていて、愛と家族、そして戦争という背景について向き合い、伝えられるというのは、すごく大きなやりがいがあると感じました。

どんな場所でも自分の居場所は作れる

——今年の1月にアメリカのオハイオ州ライマに行って、94歳になる桂子さんにお会いになったそうですね。 奈緒:はい。街のお話をたくさん聞かせていただきました。そのときの桂子さんのお顔が本当に幸せそうで、感謝に満ちていました。ライマの市長ともお会いしたのですが、桂子さんのことをとても大切にしていらっしゃるのを、お二人が話している姿から感じました。日本から遠いこの地で、桂子さんはご自身で温かい場所を作り上げられたんだなと思いましたし、どんな場所でも自分の居場所というのは作れるんだという大きな希望と、ひとつの自信のようなものを授かったような旅でした。

「テレビで見ていた人が隣にいる」不思議な感覚

——2020年に奈緒さんにお話を伺ったとき、「“奈緒”と聞いたら自分の顔が浮かぶようになりたい」とお話されていました。その後、主演作を重ねていかれたこともあり、有言実行されたかと。 奈緒:どうなんでしょう。自分自身で、そういう進化があったかというと、実感はありません。ただ今回、桂子さんと結婚したアメリカ人の夫フランク・ハーンさんをウエンツ瑛士さんが演じているのですが、ウエンツさんが私を知っているということがすごく不思議で……。しかも、一緒にインタビューを受けたりして、隣で「奈緒さん」と呼ばれたりするのでビックリしちゃいました。 ——ええ?(苦笑) 奈緒:もちろん、これまでにもいろんな俳優さんとお仕事させていただいて、似た感覚はありました。ただウエンツさんは、自分が小さなときから見ていた人なので、特にそれを感じるんです。そんな言い方をすると、すごく歳が離れているみたいですけど、年齢自体はそんなに離れてはいません(※ウエンツ瑛士は39歳)。早くからご活躍されていたので、小さな頃からテレビで見ていた人が、自分の名前を隣で普通に呼んでいる世界線って、なんなんだろうって。 ——(笑)。 奈緒:お兄さん世代で活躍していて、テレビの前で「わー!」って見ていた人だからこそ、そんな人が、「奈緒さんの第一印象は」って言ってる!と、すごく不思議な気持ちになるのだと思います(笑)。
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下積み時代はマネージャーと俳優業の掛け持ち
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ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』
8月5日~27日 よみうり大手町ホールほか
公式サイト https://www.warbride-stage.com/