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元セクシー女優が語る「夜職から抜けられない女性たち」の現実。深刻すぎる“世間とのズレ”とは

 元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」が、自身の経験や周囲の業界人から聞いた話をもとにお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半で引退を決意し、ライターへ転向。現在はメディア出演も積極的に行っている。

夜職卒業を阻む“感覚のズレ”

「夜職のセカンドキャリア」をテーマにしたトークショー登壇後、“夜職卒業”に関する相談DMが何件か届いた。会場でも業界の女性参加者から声を掛けられるなど、次のステップに向けて悩む人が多いのだとつくづく実感する。
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 現役ナイトワーカーと接する機会が増え、よく女性たちから仕事の引退や将来にまつわる話題が出るのだけれど、基本的に彼女たちから答えは出ない。そこで今回は、ナイトワーカーの“卒業”がなぜ難しいのか、その背景にある「業界特有のズレ」について書いてみたい。  夜職卒業が難しいと言われる理由は「金銭感覚」「勤怠の乱れ」がよく指摘される。だが取材を重ねる中で、私がより大きな要因だと感じるのは、業界にいる女性特有の「考え方のズレ」。この“ズレ”は一種の職業病であり、その影響が強いほど新たな道へ進みにくくなってしまう。

夜職現役女性の相談から感じた違和感

 先日行った取材で、とある夜職現役の女性からセカンドキャリアについての質問をされた。セクシー女優をどのように引退したのか、やめるきっかけ、そして転職の流れなどを聞かれ、こちらも私の経験を時系列順に解説。「正直なところ自分はノリと勢い、そして運」でどうにかなったタイプというのもあり、多くの人の参考にはならない旨を先に伝えた。  彼女が特に知りたがったのは「身バレ対策」「営業アカウントを残すべきか」の2点。ただ、身バレを気にするのにキャスト専用アカウントを残すか否かで悩むなど、若干の矛盾が生じていると感じた。この2点を気にしていることも「考え方のズレ」といえるだろう。  身バレに関してはネットに顔を出した以上、ある程度の覚悟を決めなければならず、SNSは全消去するほかない。昨今デジタルタトゥーは問題になっているし、スクリーンショットや画面録画が容易にできる時代だからこそ、過去の証拠隠滅が不可能だからだ。  しかし、そのように伝えても「宣材写真の履歴で過去がめくれるくらいなら、今の時点で親や友人に(仕事を)オープンすべきですよね!」と返される。  たしかに隠し事なく生きれば本人もラクだろうが、何でもかんでも正直に言えばいいというものでもない。最悪の場合、家族や友人との関係が悪化する恐れもある。  私は「バレないよう心がけるのも一つの選択肢」とアドバイスした。

本気で卒業を決意できるかどうか…

 営業アカウントを残す理由も不透明だったため、「いつでも夜職に戻れるようにしておきたいの?」と突っ込むと「違います」と即答。どうやら自分を指名する顧客たちに大きな恩があるようで、引退後も元気に暮らす自分をSNSで見せて安心させたいとのことだった。  たしかに、水商売は客なしでキャストは成り立たない。彼女のように顧客を心から想う優しいキャストも少なからず存在するのだが、もう店で働かないならアカウントは不要だろう。客と繋がっていたいのなら個人的に連絡先を交換すれば良いものの、「それはちょっと違う」と否定されてしまう。  話していて悪意があるタイプでもないため、どう会話を持っていくか非常に悩んだ。たぶん彼女自身もまだ、“本気で卒業したいフェーズ”に至っていないのかもしれない。今まで多くのナイトワーカーに出会ってきたが、完全引退の意思が強い人ほど潔く業界を去る傾向が強いからだ。
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独特のズレがあると転職も難しい?
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元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
X(旧Twitter):@takanashiaaya

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