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売れる本はマーケティングでは作れない(『本の雑誌』浜本茂氏)

出版不況と言われる昨今。でも、企画さえよければ売れるはず。てなわけで、「実現困難だけど、こんな本なら絶対売れる!」というドリーム企画を目利きの皆さんに披露してもらいましょう! ●浜本 茂氏 「マーケティングで読者を想定して作っても売れないんじゃないかな」 1Q85「何が売れるかなんて、わかんないですからねー」と、いきなりのホンネ発言を繰り出したのは、『本の雑誌』編集発行人・浜本茂氏。 「『おじさん図鑑』って本が今、売れてますけど、あれは企画が通るまで5年ぐらいかかったらしい。マーケティング局とか、よく知らないけど、会社の上のほうの人に『こんなもん売れない』って言われて雌伏5年。それがようやく出たら、あんなに売れた。まあ、本になったのを見たら、僕は『これは売れる』と思いましたけど、やっぱり企画段階ではわからないんですよ。だから、マーケティングとかに頼らずに、その人間の感覚だけで引っ張っていかないと、読者が何人とか想定して作っても売れないんじゃないかな。ウチはそういうやり方してないんだけど、でも売れないという(笑)」 ◆ 『○○の家計簿』をシリーズ化しよう!
浜本 茂氏

浜本 茂氏

 そんな浜本氏の妄想企画は? 「売れるのはやっぱり『タニタの社員食堂』みたいな実用系か、スキャンダラスなものだよね。だから、三浦友和の本(『相性』)が売れてるみたいだし、三浦百恵著『百恵のレシピ』ってのはどう? それか、『三浦家の家計簿』(笑)」  根強い人気があるのに、決して表に出てこない百恵さんが本を出したら、それは売れそう。 「表に出ないといえば、村上春樹の奥さんが本書いたら売れるんじゃない? 『村上家の家計簿』とか」って、また家計簿っスか!? 「いいじゃない、家計簿シリーズ。『西村賢太の家計簿』で、風俗にいくら使ったとか(笑)。あ、レシピものだったら、『村上春樹のレシピ』とか。初期の作品って、自分で料理するシーンがわりとよく出てくるじゃない。そういうの再現したら、ファンは喜ぶでしょう」  つか、村上春樹なら普通に小説出せば売れる気も……。 「そうですね。『1Q85』『1Q86』『1Q87』って、どこまで売れるか見てみたいです(笑)」 【私の企画案】 村上春樹 著 『1Q85』 三浦百恵 著 『三浦家の家計簿』 【浜本 茂氏】 ’60年生まれ。『本の雑誌』編集発行人。今のイチオシ本は『はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある』(宮田珠己著、5/22発売) イラスト/カネシゲタカシ ― 編集者・書店員らが考えた[妄想ベストセラー]企画会議【8】 ―
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