「40代後半」で東大医学部を目指す男性に、その理由を聞いた。精神科で「お前を20年閉じ込めるからな」と言われたことも
40代を後半にして、東京大学理科Ⅲ類(医学部)を本気で目指す男性がいる。六花星さん(@932_onsen)だ。塾講師や私学教員として豊富な指導経験を持つが、持病である精神疾患の増悪のたびに職場を変えてきた。初老に差し掛かる彼の、人生について聞いた。
六花星さんは開口一番、「いわゆるADHDなんです」と明かした。IQ139という類稀な数値を持つ彼は、「教科書をもらったらすぐに読んでしまって、授業中にやることがなかった」と話す。その一方、幼い頃から奇行が目立った。
「幼稚園のとき、昼になるとお昼寝の時間があるのですが、私は寝ないで同級生の上履きを全員分洗ってしまったんです。そうした問題行動は、園内でもちょっとした話題になりました」
学力において神童的な位置づけだった六花星さんは、「やや教育熱心すぎる母親」の導きもあって、埼玉県の進学校に合格。スポーツにおいても優秀な成績を残し、文武両道を地で行く青年に成長した。だが学生時代を通じて、しばしば提出物を忘れるなどの問題は解消されないままだったという。
そんな六花星さんを突然の出来事が襲った。
「高校2年生のとき、うつ病になってしまいました。原因はいまだによくわかりません。何もやる気が起きず、勉強もあまりすることがないため、成績は急落しました」
現役時代は東大、早稲田、東京理科大学を受験し、東京理科大学のみ合格。浪人の道を選んだ。このとき、彼は家出を経験している。
「もともと、家庭にフラストレーションがあったのかもしません。アルコール依存症の父親と、学業に厳しい母親の間で、閉塞感はありました。別府温泉で住み込みで働かせてもらったんです。期間は半年ほどでしょうか。旅館の人に、『君はまだ若いんだから、大学へ行きなさい』と諭されて、自宅に戻りました」
一浪目は労働しかせず受験から離れたが、二浪目で早稲田大学理工学部に合格、進学することにした。早稲田大学を卒業したあと、すぐに東京大学に合格し、さらに大学生を続けた。東京大学では文学部独文科に所属し、優秀な成績を修めていたという。

六花星さん
高2でうつ病になり、成績が急落
二浪で早大進学、卒業後に東大に
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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