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ゴミ清掃員「家庭ゴミにぬいぐるみが増えている」“ぬい活ブーム”の功罪を考える。人形供養するお寺に「無断で放置する」ケースも

高市早苗首相の「働いて働いて……」が選ばれた2025年の新語・流行語大賞。ノミネート30語の中に名を連ねていたのが「ぬい活」である。ぬいぐるみを手のひらサイズの“相棒”として連れ歩き、旅先で一緒に撮影してSNSに投稿する――そんなスタイルは今や珍しいものではなくなったようだ。 だが一方で、ぬいぐるみの人気が高まるほど、「手放されるぬいぐるみ」も増えているのではないか。 ぬい活当事者、ゴミ清掃員、人形供養を行う住職。三者の声から、その背景を探った。
泰聖寺

泰聖寺で供養の依頼があった人形・ぬいぐるみたち

“ぬい活ブーム”に何を思うのかは三者三様

タケウチパンダさん

タケウチパンダさん

「40代男性」という属性のせいなのか、筆者からするとぬいぐるみが流行っているという実感は薄い。しかし、「ぬい活」という言葉ができるより何年も前から、“ぬい活的な生活”をしてきた秋津さん(30代男性)は次のように話す。 「大きなブームが来ているという実感はないですね。ぬいぐるみ関連のオフ会が増えた感じもないですし。ただ、外でぬいぐるみと一緒に写真を撮っていても、変な目でみられなくはなりました(笑)」(秋津さん) 一方で、ピン芸人兼ゴミ清掃員のタケウチパンダさんによれば、家庭から出されるゴミの中に、ぬいぐるみが増えているという。 「小さなものはゴミに紛れて見えないだけだと思いますが、大きなぬいぐるみはここ2年くらいで増えた印象がありますね。5年くらい前、コロナが広がって断捨離が流行った時も、ぬいぐるみのゴミを多く見かけましたが、それ以来の波という感じです」(タケウチパンダさん) また、遺品供養などとともに、人形供養も受け付けている寺院「泰聖寺」(大阪市)の純空壮宏住職は、ブームの影響は大きいと話す。 「以前までは、供養のご依頼は月に10〜20体でしたが、ここ2年ほどは100〜150体になりました。また、和人形やフランス人形など職人さんが作ったようなものが多かったですが、最近はクレーンゲームにあるようなキャラクターぬいぐるみ類の増加が顕著ですね。今後、ブームが去ることを考えると、これからもっと依頼が多くなると思います」(純空壮宏住職)

ぬいぐるみのゴミは「時代を映す鏡」

ゴミ清掃員のタケウチパンダさんによれば、“ぬいぐるみゴミ”は量の増減だけでなく、その内訳にも変化があるという。 「ゴミ清掃員になって11年経ちましたが、その間ずっと見かけるのがディズニー系。ミッキーマウスやミニーマウス、くまのプーさんが特に多いです。ここ数年では、星のカービィや、耳が長くて目が青い犬のようなキャラクターのぬいぐるみが増えました」(タケウチパンダさん) 長耳に青目の犬のキャラクターは、サンリオの「シナモロール」だろう。同キャラクターは、2020年から2024年までサンリオキャラクター大賞を5連覇(2025年は2位)を果たしている。 また、「星のカービィ」も2024年にマクドナルドのハッピーセットのおまけとして登場するも、あまりの人気に発売翌日には売り切れ状態となったことは記憶にも新しく、やはり、ゴミは世相を映す鏡と言えるだろう。
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「カービィ」が好きだからこそ、つらい瞬間が
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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