更新日:2026年03月10日 18:05
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「社畜以下」「掃除係扱い」再雇用を選んだ60代の絶望。“現役時代”の年収は最高で約1200万円、現在は半分以下

社会の目まぐるしい変化によって、我々の生活はかつてない脅威に晒されている。治安悪化、家庭崩壊、雇用形態のドラスティックな変化──いつ奈落の底に落ちないとも限らない危機がそこかしこに潜んでいるのだ。 その一方で、定年後の再雇用を巡り、高齢社員のメンタル崩壊が静かに増えているという。大幅な給与減と権限喪失、年下上司との関係に苦しむ当事者の証言から、制度の光と影に迫った。

メンタル崩壊を起こす高齢社員が続出

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写真はイメージ

昨年4月、改正高年齢者雇用安定法が施行され、すべての企業に「希望する社員には65歳までの再雇用(または定年延長、定年廃止)」が義務づけられた。定年後の仕事継続、収入確保がしやすくなった一方で、メンタル崩壊を起こす高齢社員が続出している。 「一昨年、60歳で定年を迎えましたが、再雇用を希望し、定年前と同じ部署(営業系)で今も働き続けています。業務内容はほぼ同じですが、給与、待遇、扱われ方には天と地の差があるのが現実で、想像以上に過酷。ストレスで精神安定剤が手放せなくなりました」

給料が下がるのはいいが…

こう語るのは、定年前まで大手重機製造会社で営業系の部長を務めていた湯原宏さん(仮名・62歳)。“現役時代”の年収は最高で約1200万円だったというが、定年後、嘱託社員として再雇用されてからは500万円程度に減額となった。 「給料が下がるのはいい。けど、何の権限もないのがこれほど苦しいとは。元部下から明らかに判断ミスと思われる指示が来ても、黙って従うしかありません。収入が下がったことで、女房からも軽く扱われているような気がして……些細なことでカッとなってしまい、家庭にも居づらい」
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「老害扱いに耐えきれず辞表を叩きつけた」
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