「田んぼ&畑で出会い」が密かなブームに!
―[都会の[田植え男子]の主張]―
都会に住みながら、休日に田んぼで農作業をする人々が急増しているという。現在、コメ農家の高齢化とコメ価格の低下で耕作放棄地が続出、田んぼは荒廃する一方だ。そんな農村の窮状を救うのが都会の「田植え男子」なのだ!
「田んぼ&畑で出会い」が密かなブームに!
ここ最近増加中の農業イベントが、新しい出会いの場としても人気が出てきている。昨年あたりから増えてきているのが農業合コン、通称「農コン」。街の中ではなく、田んぼや畑を舞台に、農作業をしながら出会いを探そうという企てなのだ。
東京近郊で密かに流行りだしたこの企画は、小規模な有機農家などが主催することが多く、参加者には農業や食に関心の高い若者が多い。例えば、千葉県いすみ市の自給スペース&マクロビオティックカフェ「ブラウンズフィールド」で1泊2日で開催した農コンは特に女性に人気で、キャンセル待ちが出るほど希望者が殺到。また、神奈川県三浦市にある「たかいく農園」では、バレンタインデーに開催した農コンに200人を超える人が来場した。
またユニークなのは、米ともLLP(有限責任事業組合)が企画運営する「米トモ!」。新潟県長岡市の田んぼを舞台に、都会で働くアラサー女性と田舎の農家男性の出会いを提供している。年間で3回以上の田んぼ作業を企画しているが、昨年はなんとリピーター率100%。「婚活米」と名付けられたそのコメは、活動の最終回に東京・表参道で参加者の手で販売された。
「田植え男子は、合コンでの受けもいい」と語るのは、出版社勤務のSさん(30歳)。
「合コンで『趣味は田んぼ』と言うと女のコの食いつきがすごくいい。『じゃあ今度ウチの田んぼに来てみる?』なんて、下心を感じさせずに誘えます」
それでは、田んぼでモテる男とはどういうタイプなのか? 会社名とか年収とか話術とかルックスとかは、あまり関係ない……と思いたい! というわけで、女性側の意見を聞いてみた。
「重い苗床を持ってくれたり、力仕事をさりげなく引き受けてくれたりしたらキュンとしちゃいます」(Yさん・28歳)
「力仕事のときの腕の筋肉や汗にグッとくる」(Tさん・30歳)
「農業や生き物に関する知識が豊富だったり、みんなが嫌がる草取りを黙々としていたりする姿に、普段とは違った魅力を感じた」(Yさん・24歳)
「家族連れで来ている子供への対応も、しっかりチェックしています」(Nさん・28歳)
総じて女性側の意見も、田んぼでモテるタイプは都会とは違うとの意見が多かった。田の力と書いて男と読む。そんなオトコヂカラを発揮すれば、女子の目の輝きも変わってくるはず。頑張れ、田植え男子たち!
渡良瀬エコビレッジでの稲刈りツアー。農作業ツアーで、参加者同士や、
現地受け入れ先との交流を深めている
取材・文・撮影/志葉 玲 澤田佳子 北村尚紀(本誌)
― 都会の[田植え男子]の主張【5】 ―
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