仕事

ノマド・ブームの煽り方は80年代のフリーターと同じ【常見陽平氏】

―[ノマド入門(笑)]―
炎上案件という意味も含め、なんだか「ノマド」が注目を集めている。そんなノマド・ブームに常見陽平氏が物申す ◆“高学歴ワーキングプア量産装置”にならないように
常見陽平氏

常見陽平氏

 今のノマドについての議論は、安易な肯定と批判が流布しすぎている。かわいそうなのが、一生懸命やっている人と踊らされている人という状態です。  日本で働き方の変化が論じられるとき、いつも時代の気分によって決まる面がある。ノマド礼賛の背景にも“大企業も潰れる、先の見えない時代”みたいな言われ方がありますが、希望や兆しがある企業も少なくない。「会社終コン(終わったコンテンツ=時代遅れ)」って言うのが早すぎる。ノマドという働き方が、地上の楽園でもあるかのように思われていることに僕は違和感を覚えるわけです。  そもそも自由な働き方ってあるのでしょうか? 僕は自由になれた気がするだけだと思う。結局、顧客と取引先がある以上、完全に自由になることはありえない。  尖った生き方というのは大変。ノマド=フリーになるのは、生命力の確保と、ちゃんと仕事を取っていくことが大事。ソーシャルメディアのつながりが助けてくれるという迷信も捨てたほうがいいと思う。仕事は「いいね!」って関係だけじゃダメなんです。現実を見れていない人、リスクを負う覚悟がない人が多い気がします。  現在のノマドブームの煽り方は、’80年代のフリーターと全く同じ構造です。自由に生きる若者を応援するとおだてられて、若者は会社を辞めてバンドや演劇の夢を追ったりした。それで彼らは幸せになれたのか。大半は残念な形に終わったはずです。気をつけないとノマドブームも“高学歴ワーキングプア量産装置”になる恐れがある。  いい悪いは別にして、今の世の中は老人の論理で動いています。人口比からしても倍以上いるわけですから。社会を変えようと思ったら、彼らに理解してもらわなければ、無視されて終わるだけ。ノマドに憧れる若者にアドバイスするなら……「ジジィ転がしがうまくないと、つぶされるよ」。 【常見陽平氏】 ’74年、北海道札幌市出身。人材コンサルタント、作家、大学講師。『大学生のための「学ぶ」技術』『「キャリアアップ」のバカヤロ ー』など著作多数 ― ノマド入門(笑)【8】―
―[ノマド入門(笑)]―
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