恋愛・結婚

家族に祝福されない結婚はありか?

【佐藤優のインテリジェンス人生相談】
“外務省のラスプーチン“と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!

◆相談者 タク(ペンネーム) 会社員 男性 30歳

結婚 私には3年近く付き合っている彼女がいます。1年ほど前から結婚を意識するようになりましたが、一度、彼女から彼女の家族との食事に誘われた際、気持ちの整理ができていなかったため、「まだいいよ」という意味のわからない返答をしてしまいました。彼女は、それをそのまま家族に話したのでしょう。しばらくして、飲みの席で彼女の友人から「食事を断られて、お父さん、相当怒ってたらしいよ」と聞かされました。確かに彼女もそれ以来、誘いづらくなってしまったのか、食事の話や結婚の話をあまりしなくなってしまいました。彼女と結婚したいという気持ちはありますが、彼女の家族に祝福されない結婚などできるのか、などと考えてしまいます。何か状況を打開する方法はないでしょうか?


◆佐藤優の回答

 結婚は本人の問題なので、親の了承はいらないという考え方もありますが、それはあまりに視野が狭いと思います。タクさんも、彼女も、それぞれ両親の力がなくては、ここまで育つことができませんでした。私もタクさんと同じ30歳の頃には、親のことはあまり考えませんでした。社会人として独り立ちすれば十分だと思っていました。

 今年、私は52歳になりました。父親は12年前、母親は2年前に他界しました。そうなると不思議なもので、両親のことをよく思い出すようになります。子供の頃、休みの日に父親にせがんで旅行に連れて行ってもらいましたが、当時は週休2日ではありませんでした。休日ぐらい、父親は家でゆっくりくつろいでいたかったことと思います。子供のためにだいぶ無理をしていたのだと思うと、胸が熱くなります。幸い、私の家内の両親は健在なので、大切にしたいと思っています。

 タクさんと彼女が結婚を意識しているならば、お互いの両親には早いタイミングで挨拶をするべきです。相手のお父さんが怒っているのは、娘さんに対する愛情が強いからです。彼女が「私が好きな人だから会って」と言えば、お父さんは前回食事を断ったことを水に流して会ってくれると思います。

 私の周囲で、本人は結婚に同意しているのに、彼女の実家に挨拶に行ったら断られたという人は、小沢一郎民主党代表の秘書を務めた石川知裕衆議院議員(新党大地・真民主)しかいません。石川さんが小沢さんの秘書だった頃、当時の彼女の実家に結婚の了解を求めに行きます。家に入った途端、飼い猫が背中を丸め「シャー!」と石川さんを威嚇しました。彼女の実家の愛猫がこういう対応をするので、石川さんは嫌な予感がしたそうです。案の定、相手のお父さんが「ダメだ!」と首を縦に振りませんでした。もっともこれは、石川さんに問題があったのではなく、お父さんが小沢一郎さんの秘書という職業に不安を持ったからだと思います。

 ちなみに猫が忌避反応を示したのも、小沢さんが大の猫嫌いだからです。私との共著で石川さんは、<以前、カルガモの親子が深沢(東京都世田谷区、小沢氏の私邸)の庭に来たことがあって、小沢さんはすごく喜んでたんですね。池で泳いでいるのを見ながら目を細くしてたり。それを、よく庭に来る猫が殺しちゃったんです。そうしたら、すごい剣幕で怒って、「塀に有刺鉄線を張る!」って言いだして。もちろん、秘書全員で反対したんですよ>(『小沢一郎はなぜ裁かれたか』25〜26頁)と記しています。秘書と政治家は一体です。猫は勘がいいので、「こいつは敵だ」と感じて威嚇したのだと思います。タクさんは、石川さんのような面倒な職業には就いていないでしょうから、相手の御両親に忌避されることはないと思います。勇気を出して彼女の実家を訪ねることです。御成功をお祈りしています。

【今回の教訓】
周囲で結婚を反対されたのは石川知裕氏だけ

◆募集
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【佐藤優】
1960年生まれ。1985年に外務省入省。在英、在ロシア連邦大使館、国際情報局分析第一課で活躍。2002年に背任の容疑で逮捕。『インテリジェンス人生相談』個人・社会編に続く第3弾、新刊『インテリジェンス人生相談<復興編>』が発売中!

◆今回の参考文献
小沢一郎はなぜ裁かれたか―日本を蝕む司法と政治の暴走

『小沢裁判』とはなんだったのか

インテリジェンス人生相談 復興編

超個人的な問題から佐藤優が導<日本復興のシナリオ>とは!?




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