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死者多数!格安高速バスがアメリカでも問題化

チャイナタウンバス

これが「チャイナタウンバス」だ

 死者7人を出す大惨事となった関越自動車道のバス事故では、事故を起こしたドライバーとバス会社の社長は起訴され、ツアーを企画した旅行会社も業務停止の行政処分が下された。一方、安全を犠牲にした格安バスの杜撰な運航実態は、海を越えたアメリカでも問題となっている。

『ブルームバーグ』などの報道によると、5月31日、連邦自動車運搬安全局は長距離バス会社26社に対し「安全基準違反」として業務停止命令を出した。実は、これらのバス会社はすべて中国系だ。東海岸を中心に、各都市のチャイナタウンを起点に運航していることから、「チャイナタウンバス」と呼ばれている。このチャイナタウンバスを愛用していたという、ニューヨーク在住の日本人男性(33歳)はこう話す。

「3時間はかかるニューヨーク―ボストン間が12.5ドル(約1000円)。これは同区間のグレイハウンドバスのおよそ3分の1の値段ですよ。しかも中国人運転手がかなり飛ばすので、グレイハウンドより早く着く。『グレイハウンドより安いし速い』と中国人以外にも人気でした。今回の業務停止には、愛用者からブーイングの声も上がっていますよ」

 またニューヨーク市内各所を結ぶチャイナタウンバスも存在し、、同市の公共交通機関がストライキを行う際には、在住日本人を含む多くのニューヨーク市民もお世話になっているという。

 しかし、その安さと利便性は危険の上に成り立ったものだった。事実チャイナタウンバスでは過去に事故が続発している。2011年3月に、ニューヨーク市ブロンクスのハイウェイで、ドライバーの居眠りによる横転事故で15人の死者を出したのをはじめ、5月にもノースカロライナからバージニアに向かっていたバスが、盛り土に乗り上げて横転。4人の死者を出している。

格安高速バス

居眠り運転による横転事故の様子。15人が犠牲になった

 前出の男性も、チャイナタウンバスの危険性についてこう証言する。

「混雑時には通路にパイプ椅子を並べて座らせたりする始末。車体もかなり老朽化していて、ハイウェイを走行中に煙を出して立ち往生したことがありました。そしてなにより飛ばす飛ばす(苦笑)。抜かれるとドライバーの血が騒ぐのか、ほかのバスとまるでレースを繰り広げているようなこともありました。ハイウェイではかなり危なっかしい追い越しを繰り返し、外の風景は目を開けてみていられませんでしたよ。それでも利用してしまうのはやっぱり安さ。一種の賭けですね……」

 この男性によると、安全基準違反によって過去にも当局によって閉鎖されたバス会社も少なくないが、その多くは名前を変えて営業再開しており、いたちごっこの様相。今回業務停止となった26社も、すぐに再開するだろうというのが愛用者の見方なのだという。

【取材/ドラゴンガジェット編集部
ガジェット好きのライターや編集者、中国在住のジャーナリストが中心メンバーとなり、2012年1月から活動を開始。東京と深セン、広州を拠点に、最新の話題をお届けする。




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