理系は損!? 不平等人事でリストラされて派遣技術者へ
京都大学の研究チームが「理系卒の平均年収は文系卒よりも約100万円高い」という文系卒のビジネスマンにとってはショックなデータを発表。でも、本当に文系のほうが損なのか? この疑問を解決すべく「自分のほうが損だ」と語る文系、理系双方のビジネスマンを取材した。
理系は損だ!
不平等人事でリストラされて派遣技術者へ
国立T大学・26歳・エンジニア
「地方国立大学の工学部は理系の中でも底辺中の底辺!」と断言するのは現在、派遣技術者としてビルメンテナンス会社で働く須田宗一さん(仮名)だ。実は、彼はこの若さにして”リストラエンジニア”なのである。
「工学部への求人は大企業の地方国立大学枠を逃すと、地元企業の技術系の仕事しかありません。僕は初任給20万円の大手家電メーカーT系列の研究開発に運良く就職できたけど、そこは強烈な学閥社会でした。僕の出身校は一番立場が弱く、商品化部門には行けず、地味な基礎研究部門に配属。露骨な不平等人事で、真っ先にリストラ対象にもされた。最初は冗談かと思いましたよ」
その後、再就活するも仕事はなく、今の派遣技術者の職に就いた。
「派遣求人の多くは即戦力のIT系。僕みたいな経験の浅い工学系エンジニアは、なかなか派遣先も見つかりませんね」
それでも仕事が見つかっただけマシ。同期のリストラ組の多くは、実家で引きこもっているのだとか。
― ビジネスマン[文系VS理系]損なのはどっちだ【6】 ―
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