徹夜の日々でも初任給11万円のプログラマー
京都大学の研究チームが「理系卒の平均年収は文系卒よりも約100万円高い」という文系卒のビジネスマンにとってはショックなデータを発表。でも、本当に文系のほうが損なのか? この疑問を解決すべく「自分のほうが損だ」と語る文系、理系双方のビジネスマンを取材した。
理系は損だ!
徹夜の日々でも初任給11万円のプログラマー
私立S工業大学・25歳・IT系
「プログラマーという職業は現場作業員と変わらない肉体労働者です。でも、給料は大工なんかの半分以下ですけどね」
そう自嘲する柴崎裕太さん(仮名)は、都内の工業大学在学中に「使えないプログラミング言語はない」と自信を持って言えるだけの知識を習得。卒業と同時に携帯電話配信アプリの制作会社にプログラマーとして就職したが、その現場は想像を絶する地獄だった。
「まず職場が臭いんです。プログラマーたちがみな寝袋で泊まり込んでるから、もう現場は『汚い・臭い・帰れない』の3Kなんですよね。驚いたのが、メインプログラマーがゲームの企画からシナリオまでやらされること。初めて与えられた仕事は、脱衣麻雀ゲームのサブプログラムとデバッグ(バグ探し)だったんですが、いきなり1週間も家に帰れなかった。それなのに、初任給は社会保険などナシの11万円……。泣けました」
会社の先輩に「こんな過酷な世界なんですかね?」とボヤくと、「俺らは中国人の開発価格と勝負してるからな。
中国人以下の底辺プログラマーだよ」と言われた。もはやゲームのエンドロールに名前が1行載ることしか仕事の達成感もないという。
「3年勤めて、ようやく額面で18万円の給料。入社当時からのスタッフはほとんどいません。大学の学費を考えると、やっぱり理系は損だと感じますね」
いつ辞めようか……。柴崎さんは毎日のように転職を考えている。
― ビジネスマン[文系VS理系]損なのはどっちだ【4】 ―
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