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「俺も見た!」いまだ続く“高橋克也フィーバー”

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逮捕現場となった「まんが喫茶」。あれから10日、事件などなかったようにひっそりとしていた

 オウム手配犯・高橋克也容疑者の逮捕から10日、蒲田の街は平静を取り戻しているように思えた。蒲田駅西口からわずか3分ほど、逮捕現場の「まんが喫茶」周辺はひっそりしており、報道陣や、野次馬数百人でごった返した”フィーバー”の名残はまったく感じられない。

 しかし、近隣の居酒屋に入った時、記者は”フィーバー”の一端をうかがい知ることとなる。

 商店街からほど近い、コの字カウンターで地元の諸先輩方で繁盛する居酒屋。瓶ビールを傾けながら、初老の店主に「先日は大変でしたね、例の……」と切り出した途端、それまでどちらかと言えば静かに杯を傾けていた、常連客が一斉に記者に視線を投げかけた。

「私ね、見たんですよ、高橋……」刺し身の仕込みの手を止めた店主が真顔で呟くと、

「俺も見たんだよ、●●のコンビニでさ〜」
「うちのカミさんも見たって言ってたんだよ!」
「この辺じゃぁ、みんな見てるよ!」
「川崎から逃げたって聞いた時、鶴見か蒲田だと思った」
「いや、俺は蒲田って直感したね!」

 常連客を中心に、にわかに「高橋克也目撃談」で熱気を帯びる店内。

 しかし、一同が口を揃えていたのは、「間違っていたらマズいと思って、警察に通報しなかった」「手配書と実際顔が違ってたからさぁ、怪しいとは思ったんだけど……」と、肝心な時に慎重になったことを後悔してる様子だった。

 さんざん盛り上がった挙句「で、(懸賞金の)1000万円はどうなった?」と記者は逆取材される始末。

「よくわからないです……」とお茶を濁して店を後にした。

◆逮捕記念サービスで炎上

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ツイッターで賛否両論の議論を巻き起こした「手配書」

 続いて訪れたのは、高橋克也容疑者が逮捕された当日「高橋克也逮捕記念サービス」と称し、「生ビール1杯無料」を謳った店のツイッターが炎上、マスコミ取材が殺到したと言われる居酒屋だ。

 線路沿いのこじんまりとした立ち飲みスタイルの店。店外のテーブルでは客が気軽にビールと焼き鳥を楽しんでいた。店内にはツイッターで炎上状態となった高橋容疑者の「手配書」が貼りだされている。

 恐る恐る店主に「大変でしたね、ツイッター……」と話を向けると、「スポーツ新聞の記事では『開店時から客が店外まで溢れる大盛況』とか書かれてましたけど、ぜんぜんいつもと変わらなかったですよ」
と笑い飛ばす。

「スポーツ新聞の記者さんが来た時、面倒なことになると思って、極力黙ってたんですよ。記者さんも飲まないし、ちょっと困ったなぁと思っていた矢先、記者さんから『マスターも』といって生ビールを一杯頂いちゃったんですよ。そしたら気が大きくなって……」

 その後は差し入れビールの勢いもあり、記者の”巧みな誘導尋問”に引っかかってしまったとか。

「だって『1000万円を狙っていたでしょう?』『正直、1000万円欲しかったですよね?』と、しつこく聞かれれば『うん』と言うしかないじゃないですか。その時いた常連客の皆さんが『(高橋容疑者が好きだと報じられた)かしらと生で500円セットとか面白いね!』などという話題で盛り上がっていたら、なぜか『かしら2時間で完売』とか書かれちゃうし……。翌日、テレビが来ましたが、だんまりを決め込みました」

 ちなみに記者がかしらを頼むとすでに「完売」。もともと人気メニューのようだ。

 最後に「ツイッターでは『不謹慎』という意見もありましたけど」と水を向けると、「蒲田は大好きな街、その街の治安が守られるのが第一なので、結果として良かったと思ってます」

 と、とりあえずは胸を撫で下ろしている様子。

 その後、数軒の居酒屋やスナックを訪れ話を聞いたが、一様に盛り上がるのは「梅ちゃん先生」ではなく「高橋容疑者」。

 いまだ地元の興奮は冷めやらない。 <取材・文・撮影/松ちゃん先生>




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