“マゲ女”が集結 7月1日は「TV時代劇の日」って知ってた?【後編】
7月1日が「テレビ時代劇の日」だというのはご存知か? なんでも、今から60年前、1953年7月1日にNHKで、日本で初めてのテレビ時代劇シリーズ「半七捕物帳」が放送されたことを記念して、制定されたとか。
昨年末に42年間続いた国民的時代劇『水戸黄門』が終了。セクシー衣装で話題を呼んだ『逃亡者おりん』も今年3月末で続編シリーズも終わり、現在、地上派で新作の連続時代劇を見ることはできない。この憂慮すべき事態に、「ペリー荻野とチョンマゲ愛好会女子部」が再び集まった。
⇒【前編】はこちら https://nikkan-spa.jp/238933
注:「チョンマゲ愛好会女子部」とは、コラムニスト・ペリー荻野部長のもとに「マゲ女」であるミチヨとカスミの二人組が集い結成。そのマニアックな語りをまとめた『このマゲがスゴい!! マゲ女的時代劇100』(講談社)はコアな時代劇ファンの間でも話題に
※前回の対談はこちら⇒ “マゲ女”が緊急提言!『水戸黄門』再開のシナリオ(https://nikkan-spa.jp/34592)
――では、テレビ時代劇を盛り上げるべく、今、テレビドラマ化してほしい時代小説、リメイク希望の作品を挙げてみましょう。
カスミ: 私は、隆慶一郎かなあ。『吉原御免状』とか『徳川家康』とか。風野真知雄さんの、引退した爺さんが3人で謎解きする『大江戸定年組』シリーズとか、あとは、米村 圭伍さんの『退屈姫君伝』『おんみつ蜜姫』とか、姫君もの。
ミチヨ: カスミちゃん。姫君もの好きだよね。
カスミ: 結構好き。あ、米村さんだったら、「冷や飯」シリーズもいいな。やっぱ、冷や飯食いが好きなのかな(笑)
――それは、幸せになれない嗜好です。
ミチヨ: 私、今、韓流の時代劇を見まくっているんだけど、すごくよくできてるの。もう、大爆笑。脚本がうまい。昔の時代劇も脚本が上手で、これがなくなっちゃったからみんな、韓流にいっちゃったのかなって。
日本の時代劇はお金はかかるわ、視聴率低いわでやってらんないってなっちゃったわけだから。だから、韓国時代劇に負けないように、荒山徹さんの作品のドラマ化。荒山さんの作品って、例えば、遠山の欽さんの彫り物は済州島に伝わる呪術だとか、徳川家康の徳川は「トクチョン」と朝鮮語読みにして、実は秀吉の朝鮮出兵の歳、捕虜として連行されて、影武者にされていた朝鮮人だった……とかいう話なんだけど。
カスミ: すごいね(笑)。
ミチヨ: 荒山さん原作で、チャン・グン・ソクが朝鮮からの密使役。
カスミ: 新しい切り口だ。
ミチヨ: だってね、韓国の時代劇って時代考証がほとんどないの。日本人真面目だから、時代考証しすぎて、しかも、NHK的歴史観で平清盛とかおもしろくなくなっちゃうわけでしょ。それを諦めてしまえば、おもしろくなると思う。
ペリー: そうなんだよね。清盛だって、怪獣とか海ボウズとか瀬戸内海に出しちゃえばいいのにね(笑)。どうせ、清盛の人生だって半ば伝説なんだから。
――兵庫県知事が黙っていません。
ペリー: 私も時代考証は「どうでもいいのに」派。そう言うと「なんだよ」て言う人もいっぱいいるんだけど、なんだよもかんだよもないんですよ。そもそも、ゆる~く楽しんでいたのが時代劇なんだから。
カスミ: そうですよね。
ペリー: だから、私のドラマ化・リメイク希望は、『女ねずみ小僧』シリーズ。女ねずみ小僧って、歴代、小川真由美、大地真央が演じているんだけど、大地真央版の脚本を描いていたのが、三谷幸喜なんだよね。
もう、タイトルからしてスゴくて、『大江戸マラソン博奕地獄』『狙われたカラクリ城 史上最悪のダイ・ハード』『ごめんじゃすまない美女奪回大博奕!』だよ(笑)。
もう、やりたい放題です。『女ネズミ小僧』ってこうした破天荒なこともできるお話だからこそ、今、リメイクしてほしいなあ。で、女ネズミ小僧役は、小川真由美、大地真央ときているので、やはり、真矢みきで。もう、企画会議に入ってるんじゃないか!?と思うほどの、キャスティングでしょ(笑)。
――テレビ時代劇を「あきらめないで」、と。
ペリー: あとは、やっぱり『必殺』シリーズかな。『必殺』シリーズは、エログロ、パロディ、そして救いのなさがあってこその『必殺』。前は、下田で日米親善野球やったり、香港行ったりもしてますからね(笑)。ジャニーズでやっているスペシャル版もいいんですけど、どうしてもエログロができない。
もっとクセのある人。例えば、とてもかつて『ちゅらさん』に出ていたとは思えないほど、暗黒系に行ってしまった山田孝之クンとか、いいんじゃないかなあ。
もちろん、紋次郎のリメイクもいいね。
カスミ: 紋次郎は、江口洋介が最近やりましたよね。
ペリー: 紋次郎はキャスティングする上で条件があるんだよね。顔が長い役者であること。三度傘をかぶって口元が覗くくらい顔が長くないと。
ミチヨ: 馬面役者。
カスミ: 今、みんな小顔だからねえ。
ペリー: 取材するとね、時代劇やりたい俳優さんって多いんですよ。だから、まだ期待はもてるかなあって。先日、映画『るろうに剣心』見てきたけど、佐藤健クン、がんばってたよ。あと、今年はドラマ『大奥』があったり。映画『のぼうの城』があったり。私が今、一番、気になっているのが10月放送、伊藤淳史クン主演のNHKのBS時代劇「猿飛三世」。
カスミ: 気になりますね。それは(笑)。
ペリー: 地上派ではあまり目立たないけど、時代劇復活の動きはあるので、期待したいよね。
構成/小山武蔵 写真/Storehouses of Edo Period shipping agent / heiwa4126
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