お金

消費税増税で2015年「円安130円」の根拠

◆過去2回の消費税引き上げ後は大幅円安となった
吉田 恒

吉田 恒氏

 消費税が2014、2015年に段階的に引き上げられる見通しとなってきました。過去の消費税引き上げ後は、約一年程度の短期間に、何と30円もの大幅なドル高・円安が起こっていたのですが、果たして今回はどうでしょうか。  消費税が3%で最初に導入されたのは1989年でした。当時130円程度だったドル円は、約一年後には160円までドル高・円安となったのです。  その消費税が現在の5%に引き上げられたのは1997年でした。当時120円程度だったドル円は、約1年半後には150円近くまでドル高・円安となったのです。  当然、1989年頃と1997年頃では為替を取り巻く環境に違いも多かったはずなのに、なぜ同じように大幅なドル高・円安となったのでしょうか。  消費税引き上げ後といった点で、両者が共通していたのはインフレ率の上昇でした。そして、インフレ率の上昇は、経済学的には通貨安要因ですから、その意味ではドル高・円安は辻褄の合う話だったわけです。  消費税引き上げで、物価が上がるのは理解できるでしょう。そしてモノの価値が上がると、相対的に通貨の価値は下がるので円安になります。その点は、今回の消費税引き上げでも基本的には変わらない影響ということでしょう。  その上で、過去2回と同じように、2014年以降の消費税増税を前後し約30円のドル高・円安が進むなら、もちろん2014年前後のドル円の水準次第ではありますが、仮に90-100円程度からそんなドル高・円安になるなら、2015年には120‐130円の円安になっている計算になるわけです。 (了) 【吉田 恒氏】 1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。 2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。 著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
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