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元NHK記者が目指した「消費しすぎない」、 「働きすぎない」自由

「消費しすぎない」、 「働きすぎない」自由

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丹羽順子さん(37歳)

【経歴】NHK記者 → サスティナビリティ活動家&ラジオDJ
【年収】450万円 → 減収

丹羽さんの今の肩書は、「サスティナビリティ活動家」。持続可能な社会の実現を働きかけるオーガナイザーといった意味だ。

 そんな彼女に、家族との生活の大切さを気づかせたのは、自らの妊娠・出産。’96年に3年間勤めたNHKを退職。フリー映像作家としての活動をへて、’03年にロンドンの大学院で1年間、サスティナビリティについて学んだ。帰国後も映像の仕事で国内外を飛び回っていた彼女は、自らの妊娠を知り、仕事上のキャリアと東京生活を一度捨てる決心をした。

「パートナーとともに子育てに専念するために、東京から鎌倉に引っ越し、仕事も辞めました。そして日々の暮らしで感じたことをブログに書いていたら、執筆や講演などの仕事をいただくことになりました。生活の中で自分なりにサスティナビリティを実践したことが、信用になったんでしょうね」
毎週日曜日にDJを務めるFM放送「J-WAVE」の『LOHAS SUNDAY』でも、日々の生活雑感や環境問題について語っている。

 丹羽さんにとって「働きすぎない」ということは大切な原則。平日は家族との生活に集中し、週末は都内で複数の仕事をこなす。

実生活でも、「消費しすぎない」ように心がけている。庭先の小さな畑で野菜を栽培し、隣近所の付き合いを大事にして、頂き物の一部をあげたりもらったりする。

「鎌倉で、『くるくる』という物々交換イベントを2年前から年2回やっています。ウチはそこでフライパンや子供服を手に入れました」

’07年9月から、彼女は物々交換イベント「xChange」を始めた。フリーマーケットと違ってお金を介在させず、洋服を買いつづけることによる環境負荷を減らし、なおかつファッションを楽しむための仕組みだ。丹羽さん独自のアイデアが「エピソードタグ」。出品者にその洋服の思い出を書いてもらっている。

「手に入れた人は、持ち主の思い出もふくめて洋服を大切にしようと思うはず。お金ではなく、そんな思いをこそ循環させるものにしたかったんです」

服を通して誰かと繋がる喜びや、「所有」から「シェア」への新しい経済の可能性など、

「xChange」が持つ多様な側面に、彼女自身が気づかされたという。一時は2日間で約1万人を動員していたこのイベントの適正規模を1回200人と決めたのも、自分が忙しくなりすぎないため。この3年間で月2回ペース、開催数は約35回。11月26~28日には、丸井渋谷店で「xChange」を開催予定。お金を介在させない物々交換イベントと、有名百貨店がコラボする時代だ。

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「xChange」の模様(左)。「別れた彼氏に買ってもらったものですが」
と書かれたバッグや「次の人も安産でありますように」と書かれた
妊婦服など、持ち主の思いが込もったタグがついている(右)


― [競わない生き方]のススメ【4】 ―




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