更新日:2012年09月13日 14:38
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「ファミコン曲の演奏は権利関係が難しい」サカモト教授

ニコニコ動画黎明期から、ファミコン曲の演奏動画で人気を得た面々が今、飛躍している。なかにはファミコンやスーファミなどのゲーム機を楽器に改造してしまった人もいるようだ。彼らは一体、何者なんだ?
サカモト教授

サカモト教授

【サカモト教授】 LASTRUM所属。『SKMT』をはじめとしたオリジナルアルバムのほか、ゲームやテレビ番組へ楽曲提供もしている。『サカモト教授完全攻略本』(徳間書店)も好評発売中 ◆ニコ動発のファミコン大道芸人  ニコ動の人気動画投稿主に、頭にファミコンをのせた奇妙な格好で演奏する人がいる。彼の名はサカモト教授。ニコニコ生放送や各地でのライブを経て人気を伸ばし、今や『コネクト』(NHK総合)や、『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(テレビ朝日系)などをはじめ、各メディアから引っ張りだこになっている。 「もとはといえば、5年前に知人のバンドの前座として演奏したところ、誰かが知らないうちにその映像をニコ動にアップしていたんですよね。僕自身、毎日ニコ動をチェックしていたのですが、ある日見たことのある姿が1位になってて(笑)。自分のおかしな風貌やファミコン曲の懐かしさがウケたんでしょうか。反響があるならと、自分でもニコ動やニコ生で演奏を配信するようになり、視聴者同士がライブの現場で交流してコミュニティが出来上がっていきました」
サカモト教授

ライブでは、お客さんにファミコンカセットを頭に挿してもらい、その曲を演奏する、というお決まりのパフォーマンスがある

 そして、6月にはスウェーデンのDreamHackで、7月にはフランスのJapanExpoで海外進出も果たした。 「日本のゲーム人気に驚きましたね。FFやマリオ、グラディウスは誰でも知っていて、日本以上に盛り上がっていました。コンテンツに対する愛ありきで、権利うんぬんの前にまずは文化を育成して、その上でビジネスの在り方を考えようという雰囲気でした。僕の演奏の直後にゲームメーカーのプレゼンがあるとか日本では考えられないですね」  とはいえ、このパフォーマンスをずっと続けられるわけではないと割り切っているとのこと。 「やはり権利問題が難しいですからね。サカモト教授というキャラが注目されている今のうちに土台をしっかり作って、徐々にオリジナル曲を増やして活動していければと考えています」
サカモト教授

各地でのライブやコンサートにほぼ毎週出演している。ファンとの距離の近い交流を重視し、ライブ後はほぼ必ず二次会をする

◆お金と許諾の話  ゲーム音楽の演奏にあたって難しいのが権利まわり。JASRAC管理の楽曲はJASRACに著作権料を支払えば演奏可能だが、ゲーム音楽の大半はメーカーが権利を管理しており、メーカーごとに許諾を得る必要がある。ただし、メーカーによって基準がまちまちで、任天堂やスクウェア・エニックス、コナミなど大手ほど許諾を得るハードルが高い。サカモト教授のアルバム『SKMT』にもゲーム曲のアレンジが入っているが、こちらも権利元に一枚あたり数パーセントの使用料を支払っているそうだ。  また、たとえJASRAC登録楽曲であっても、あまりにも元のイメージを損なうカバーなどは、著作者人格権の同一性保持の観点からメーカーがNGを出すこともできるとのこと。 (C)LASTRUM Music Entertainment Inc. 取材・文/朝井麻由美 ― 名作[レトロゲーム音楽]の魅力【1】 ―
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