自己啓発セミナーは“カモ”を探す絶好の場!?
―[[強欲すぎる願掛け]に唖然!]―
欲望溢れるスポットを、訪ねてみた!
話題のパワースポット、海外ブランドのファミリーセールに
自己啓発セミナーなど、各地にダダ漏れする欲望をウォッチ!
【変わりたい!】
「違う自分になりたい」というのも、ある意味、人間の高度な欲望のひとつである。それを神様に頼んでも始まらない。そこで今回覗いたのは、「潜在能力を高める!」という会費4000円のセミナーだ。
会場となる公民館の小ホールに集まったのはサラリーマンから主婦まで幅広い男女20人。開始時刻に現れた熟女講師から「私の本、読んだ人?」の問いに、挙手したのはたった2人と、しょっぱいスタートとなった。
「決意がなければ、自分を変えることはできません!」
意識改革について熱弁する講師。説得力に欠け、根拠もなく渡された紙資料は手作り感満載。にもかかわらず、隣に座る主婦と思しき30代前半の女性はうっすら涙目でうなずいている。
「目標や夢を空手の正拳突きに乗せて叫びましょう。はい!」
突如、実践コーナーが始まり、皆、躊躇すると思いきや、眼鏡をかけた真面目そうなサラリーマンが「僕は社長になりたいっ、弱い自分を変えたい!」と大声で突きっ! 続いて、茶髪の美人も「私も能力を高めたい!」と続く。当然、ついていけない人もいて、情熱に火をつけた人との温度差が広がるばかりだ。
「では、4歳の頃の自分に手紙を書きましょう」
なぜ、4歳? 説明もないなかで、生徒たちは筆を進める。
「先生、4歳の自分を批判してもいいのでしょうか?」と前述の眼鏡リーマン。サクラと見まがうほどの熱心さである。
「授業はココまで。もうワンランクアップしたい皆さんは、20時間15万円のセミナーが用意されています!」
そういうことかと、多くの生徒が妙に合点がいったなか、3人は申し込みをし、5人ほどが講師の著書を購入していた。
「あなたはこういうセミナーにはよく来るのかしら?」
前に座る、化粧の濃い中年女性に急に話しかけられた。聞けば、不景気で経営する飲み屋が閑古鳥。できるオーナーに変身するべく、毎月4つの自己啓発セミナーに参加しているという。
「今日もセミナーで知り合った友達と来たの。あの白Tシャツの男性は別の自己啓発セミナーでコーチをしている人よ」
女性の話では、セミナー講師も授業の参考にするため、そして生徒となるカモを見つけに来ているそうだ。それぞれの欲望が渦巻くセミナー。欲望はカネになる、んでしょうな。たぶん。
― [強欲すぎる願掛け]に唖然!【3】 ―
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