羽田空港と首都圏を結ぶ、第3のルートが地下にある!
無数に存在する地下に関する都市伝説。陰謀、探検、秘密列車……。見えないからこそ興味はつきない。そんな地下の秘密を探るとともに、誰もが他人事ではない、「リアルな地下の恐怖」に追る!
【謎の地下列車】
◆羽田空港と首都圏を結ぶ、第3のルートが地下にある!
東京都心と羽田空港を結ぶ路線といえば京浜急行と東京モノレール。だが、それとは別に「第3のルート」が存在するという。
「浜松町から南下し、途中から地下に潜って京急とモノレールの天空橋駅のすぐ脇を通り、さらには川崎、横浜方面に繋がる線路が確かに存在します。一般には知られていませんが、地下では毎日、列車がバンバン走っていますよ」
そう語るのは鉄道アナリストの川島令三氏だ。その名も「東海道貨物線」。路線図に載らないのは貨物専用線だからだという。
浜松町からJR東海道線に乗り入れれば東京駅と結ばれる。東京から羽田経由で横浜に行くルートが新たにでき、利便性が増すのは言うまでもない。なぜ旅客化しないのか。JR東日本は「現時点で旅客線化整備は考えていません」(広報部)と答えるが、「国土交通省は’02年に『運輸政策審議会18号答申』で東海道貨物線の旅客化を整備計画に挙げており、計画自体は存在します」(川島氏)という。では、実現する見込みはあるのか?
「線路はできていますが、天空橋に新駅を建設するのはそう簡単ではありません。運河の地下を通っており、駅を増設する準備がなされていないからです。ただ、この問題さえクリアすれば、羽田空港と浜松町、もしくは新木場まで電車を走らせることが可能です」
左地図の通り、浜松町―東京貨物ターミナルの地上区間に線路はある(現在は休止中)。また、りんかい線の車庫が東京貨物ターミナルのすぐ隣にあるため、「ここにポイントを設置するだけで新木場から羽田へ直通電車を走らせることもできる」とのこと。
国際線も復活し、より重要度が増す羽田空港。ぜひとも再検討していただきたいものだ。
右のトンネルはりんかい線の本線。左は東京貨物ターミナルへ行き、延長すれば東海道貨物線とリンクが可能
【川島令三氏】
鉄道アナリストとして全国を取材。著書に『全国鉄道事情大研究シリーズ』(草思社)など
写真提供/川島令三氏
― [ニッポンの地下世界]のヤバい秘密【5】 ―
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