派遣法改正への反対を各党議員にお願いしたが……
「陳情したらこうなった!」体験集
実際に陳情したことのある人に、その体験について聞いてみた。めざましい成果を上げた事例もあれば、ほとんど門前払いに近いようなのも。その差はいったいどこにある!?
◆派遣法改正への反対を各党議員にお願いしたが……
大手電器メーカーの偽装請負を告発後に不当解雇、その撤回を求めて活動する吉岡力さん(36)。昨年4月、与党が成立をめざした労働者派遣法改正案について、「抜け道だらけで実効性がない」と国会議員に改正反対の陳情を行った。
「事前にアポを入れて一日で6党を回りました。秘書対応ながらも賛同意見をもらった党、議員に会えるはずが急用が入り、陳情書を秘書に提出しただけの党もありましたが、ほかは議員と直接話すことができました。『一緒に闘おう』と言ってくれた議員もいれば、『個人的には賛同するけど、難しい問題』とか、ひどいのでは言い訳に終始する議員もいましたね」
対応はともかく、意外と議員は直接会ってくれるものなのか。
「いや、簡単には会えないですよ。それ以前にも派遣法に関する陳情は何度かしてるけど、党や議員の考えに反することだと『その件は受け付けてない』と拒まれることも。だから、このときは弁護士や著名人の賛同を得た形で、同様の問題に取り組んでいる方たちと10名ほどで行きました。社会的に注目されてる事柄に加え、大勢で行けばムゲにはできないだろうと」
作戦勝ちですな。また、吉岡さんは面会を取り付けた議員に会いに議員会館に行った際、アポなしで他の議員事務室を訪ねたことも。
「派遣法改正問題に関するシンポジウムや院内集会に参加した議員に会いに行ったんです。大抵が秘書対応ですが、なかには室内に入れることもせず『はあ、そうですかー』なんて聞き流されたり。議員は不在って話だったのに、奥を覗いたら本人がいたなんてことも」
結果的には、この法案は首相交代により継続審議となった。
「正直、陳情行動って空しいことも多い。でも、陳情は国民の権利だし、議員は国民の声を聞くのが責務だと僕は思っています。諦めずに、今後も何か事が起きたり、何かが変わるなどのポイントポイントで続けていきたいですね」
― 「陳情したらこうなった!」(驚)報告【5】 ―
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