更新日:2012年11月21日 18:30
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「中学校の給食がひどすぎる!」と訴えたが……

「陳情したらこうなった!」体験集 実際に陳情したことのある人に、その体験について聞いてみた。めざましい成果を上げた事例もあれば、ほとんど門前払いに近いようなのも。その差はいったいどこにある!? ◆「中学校の給食がひどすぎる!」と訴えたが……
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 昨年9月、渋谷区立笹塚中学校の卒業生である高校1年の女子生徒が、同校の給食がお粗末すぎるとして都議会に陳情書を提出した。 “給食がまずく、量も足りなかった。学校側に過去の給食の実態を公表させてほしい。そして改善指導してほしい”というのが陳情の要旨。これだけだと単なる食いしん坊の苦情のようにも思えるが、詳しい話を聞いてみると、決して個人の主観や味覚の問題ではなかった。女子生徒は憤りながら語る。 「基本的にお肉やお魚といったタンパク質系の料理が少なく、献立表に書かれていた食材が入っていないこともしょっちゅう。PTA役員だった私の母や市民団体の方々の調査によって、食品単価やカロリーが記された書類の改ざんも明らかになりました。中学給食の基準食材費は一食313円なんですが、笹塚中では一食100円台の日が続いたんですよ!」  劣悪な実態を知った女子生徒は、卒業後の昨年7月、理由を尋ねるべく友人と2人で校長室を訪れた。 「『給食の記録を見せてください』と言うと、校長先生は『できない』の一点張りで怒鳴りだしました。そして校長先生に呼ばれて駆けつけた9人の先生たちに囲まれ、『不法侵入で警察を呼ぶぞ』などと言われ、追い返されたんです」  この出来事をきっかけに、女子生徒は都議会に陳情しようと決意。 「母が区議会に陳情書を提出していたんですが、区はまともに取り合ってくれなかったと聞いていたので、それだったらもう都に訴えるしかないと考えたんです」  だが、提出するまでの手続きで思わぬ苦労もあったという。 「陳情書の受付の方に、私が訴えたかった意図が変わってしまうぐらい願意を大幅に添削されてしまいました。それに、先生たちから受けた暴言の数々は添付資料として提出できると聞いていたんですが、提出締切の直前に『資料として認められない』と言われて添付分を突き返されてしまったんです」  結局、その添付資料を提出したければ都議全員に個人的に送るように言われ、彼女は百数十人の都議一人一人に資料を送付したという。うーん、なんてガッツだ! 「でも、結果は不採択。通知書には理由も一切書かれていなくて、私の声がきちんと都議会に届いたのかさえもわからないような素っ気ない回答しかもらえず、陳情することに意味なんてないんじゃないかと悲しくなりました……」 イラスト/カネシゲタカシ ― 「陳情したらこうなった!」(驚)報告【4】 ―
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