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[田舎へ移住]を成功させる新法則【その4】

東京・会社経営 → 島根・介護福祉士専門学生
小泉充生さん(59歳)

田舎での生活を「人生の道の駅」だと考えたんです

現在、島根県吉賀町で暮らし、同町にある六日市医療技術専門学校に通う小泉充生さん。還暦を前に生まれ育った東京を離れたそもそものきっかけは、経営していた印刷会社の倒産。次男が大学を中退し吉賀町と同校が取り組む「ふくし留学」に応募したのに、小泉さんもついていった格好だ。

「『ふくし留学』では、国の離職者訓練制度やそれ以外のしくみを活用し、学費無料、加えて生活費も条件が整えば融資してもらえます。福祉の”ふ”の字も知らない私にできるのかわからないけど、ここで国家資格を取って就職できればいいし。倒産で世の中に迷惑もかけたので、少しでも還元できればいいと。まあ、やってみるか、といった気持ちでした」

数か月後、親子のもとに合格通知が届く。2人はワンボックスカーに家財道具を詰め込み、見ず知らずの小さな町へと車を走らせた。

吉賀町は人口7000人余。町には2年連続清流日本一を誇る高津川が流れる。小泉さん親子が居を構えたのは、猿に猪、時には熊まで出る山間部にある町営住宅だ。

学校の授業は火曜から金曜の週4日。当初は不安で仕方なかったという小泉さんだが、あるとき、

「とにかく、ここの生活を楽しもう」と気持ちを切り替えたという。

「十何年も会社経営に悩みボロボロになってきたんだから、吉賀町を”人生の道の駅”と考え、この2年間でエネルギーを溜めて再起を図ればいいじゃないか、と」

もとよりアウトドアが好きだったという小泉さん。渓流釣りや山歩きを楽しむなど、町での生活を満喫。ストレスのない解放的な日々で、持病の高血圧や糖尿病もよくなった。加えて、福祉の勉強が、性格をガラリと変えたとか。

「福祉の基本は人とのコミュニケーション。ヘルパー体験で長い人生を歩んだ高齢者と話していると楽しくて、おかげで人が好きになりました。私は東京では本当に無口で人付き合いもなく、いつも眉間に皺を寄せていた。ところが今やよく笑いよく話すから、東京にいる家内が驚いてますよ」

3月の卒業後は、吉賀町での1年間の雇用が決まっているが、その先はまだわからない。年齢を考えると再就職が容易ではないことも承知している。しかし、「福祉はいろいろな形態の施設がありますし、なんとかまだ再就職もいけるんじゃないかな」と語る。「道の駅」

◆成功の法則
田舎暮らしで資格取得という手も

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来年度も「ふくし留学」の募集は引き続き行われる。また、看護師有資格者の教員も併せて募集。有資格者は田舎暮らしにも強い?




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