各球団ファンに聞く「何年に1回優勝してほしい?」【後編】

 プロ野球セ・リーグは巨人がぶっちぎりで優勝を決めた。新聞やテレビでは「3年ぶり」と騒いでいたが、そのぐらいで「ぶり」と言われても……と思った他球団ファンは少なくないのではないか。

 そこで、各球団のファンに「何年に1回優勝してほしいか?」を聞いてみた。

※【前編】はこちら⇒まずは現在セ・リーグで最も優勝から遠ざかっている広島東洋カープのファンから聞いてみた

 一方、優勝の常連球団のファンは、やはり基準が少し違う。04年から昨年までの落合監督時代に優勝4回、CSを勝ち上がっての日本一が1回という中日ドラゴンズのファンは「毎年優勝してほしいのはやまやまですが、均すと2~3年に一度くらいですかね」と余裕の構え。

 名古屋在住のライターで『名古屋メン』などの著書がある大竹敏之氏も「落合政権下でプロ野球ファンが誰もが一度は夢見る“黄金期”というものを堪能させていただきました。大変幸せな季節でした。しかしながら、不遜とは思いますが、年中行事のようになり、優勝のありがたみが薄れてきました」と語る。

 では、何年に1回ぐらいの優勝が望ましいかというと、「8年ぶりとか11年ぶりとかで喜びを爆発させてきた頃が懐かしくも感じます。とはいえ、やはり10年前後に1回ではこの先死ぬまでに3~4回しか優勝を見られない計算になり、それはさすがに寂しい。そこそこ強豪チームの座を確保しつつ優勝したときにありがたみもある、そう考えると5年に1度くらいが妥当かと思います」。

 パ・リーグでは、札幌移転以来、すっかり強豪となった北海道日本ハムファイターズのファンが「3年に1回。優勝した次の年は去年の思い出を心の支えとし、その次の年は来年への希望を心の支えにして次の年に優勝するのが至高」と言えば、安定した強さを見せる埼玉西武ライオンズのファンも「3年に1回くらいがちょうどいい。もちろん毎年優勝争いして、最後の最後まで手に汗握る試合を見せてくれたうえで、ですが……。優勝よりは熱い試合が見られるほうがうれしいので、『来年こそはやってやるぞ!』感も大切です」と語る。

 同じように「3年おきぐらいかな」と言う福岡ソフトバンクホークスファンもいたが、その理由が「優勝するとグッズとか本とかDVDとかわんさか出るので(あまり頻繁だと)財布が持たない」ってのには、ある意味、納得。また、「4年に1回」と答えた東京ヤクルトスワローズファンからは「あまり頻繁に優勝されると、現在の球団の雰囲気的に年俸が高騰した選手を次々売りに出しそうなので、このぐらいのスパンのほうが選手への愛着を持ちやすい」と球団経営まで視野に入れた発言も。

 ちなみに、「3年ぶり」の優勝を果たした読売ジャイアンツのファンはどうかというと、「3年と言わず毎年優勝してほしいです! それだけの戦力だし、勝ち続けないと私の大好きな原監督が解任されてしまうので。毎年日本一でいいです!」「世代交代を進めながらときどき優勝、ってのが理想。なので平均すると3年くらいで優勝かな? で、うまくハマった時期に連覇が来れば言うことなし」と、さすがの発言が続出。あげくの果ては「巨人・毎年・当たり前」って、「巨人・大鵬・卵焼き」じゃないんだから……。

 とはいえ、1950年の2リーグ分立以後の63年間で34回も優勝してるんだから、そりゃ優勝して当たり前って感覚にもなるわなあ。

 そんな偏った状況に異を唱えるのは、自称阪神タイガース評論家の鳴尾浜トラオ氏。

「まず思うのが、6球団の実力差がほとんどなく、毎年どこが勝つかわからないようなリーグならいいのにってこと。でも、昔は巨人だけが全国中継で“洗脳”して、人気もお金も集中するような仕組みでしたよね。それが腹立たしくて、もっと平等にせい!と思っていました。だから、我が阪神タイガースについても『6年に1度』が基本です。毎年優勝したいだとか、2~3年に1度優勝したいというのはごうつくばり。ましてや汚い手を使ってまで“常勝”をめざすなんてのは品性を疑います。でもまあ、感動を増幅させるためなら、20年くらいは悶々としながら待ちます。巨人ファンと違ってその喜びを知ってますからね(笑)」

 阪神ファンならではの負け惜しみに聞こえなくもないけれど、実力伯仲で白熱したペナントレースが展開されたほうが、どのチームのファンにとっても応援しがいがあることは、きっと間違いないだろう <取材・文/新保信長>

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