“ガチ恋派”ファン激白!「アイドルは“狙い目の女”です」
―[古参vsピンチケ]―
アイドルのライブ会場で見かける古参vsピンチケの対立構造(詳しくはコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/306072)。真相のいまだ不明なスマイレージ焼肉事件を契機に、両者の溝は深まるばかり。「アイドルはキャバ嬢じゃねーぞ」と憤る古参だが、“ガチ恋派”ともいわれるピンチケは、本当にお目当てのアイドルをオトすためだけにライブ会場に足を運んでいるのだろうか。ピンチケ当人に話を聞いてみた。
※ピンチケとは?
そもそもはAKB劇場で中高生向けに安く(通常3000円が1000円引きの2000円)販売されるピンク色のチケットのことで、そこから転じて、最近では“マナーを守らない”または“ガチ恋派”(擬似恋愛ではなく“ガチ”の意)のファンに対する蔑称
* * * * * * * * * * * *
「服はZARAとかメンズ109で買うことが多いすね。好きなブランドは特にないかなぁ。自分、痩せ形なんでタイトなシルエットをキレイに強調できる服を選んでます」
そう語るのは、都内の大学に通うA山さん(20歳)。茶色にメッシュされたアシンメトリーヘアー、黒シャツ×ベージュのカーゴパンツ×トガッた革靴。ルックスはタレントのDAIGOを少しひ弱にした感じ。3年前、日テレの「AKBINGO」で初めて小嶋陽菜を見た瞬間、電流が走ったという彼が、初めて行ったライブは09年8月のAKB48武道館公演。その後、AKB劇場の常連となるのに時間はかからなかった。
「最初は握手会に行くヤツなんてバカにしてたんだけど、間近で見たコジハルの可愛さに圧倒されて、個別握手会にも参加するようになったすね。顔とか覚えてくれて、嬉しいっていうより、仲良くなれた感がたまらなくて。ただ、当時は高校生で小遣いも少ないから、AKBにドップリハマれる環境じゃなかったす。オッサンがカネかけて握手会を何周もするのを見て、正直羨ましいと思ったこともあるけど、まあ、あの人たちは見た目がありえないから(笑)。それより服のセンスを磨くほうが好感を持たれるに違いないと思ったから、バイト代のほとんどは服代に消えましたね」
彼女や周囲の友達には「ひかれると思って」劇場通いを広言しなかったという。アイドルについて、平均点以上のウンチクはあったが、仲間内でAKBの話題になったときも、その知識をひけらかそうともしない。そこらへんは、いじらしくも感じるが、握手会への参加意欲は過熱していく。
「可愛いコと仲良くなりたいし、『あわよくば』って気持ちももちろんありました。こじはるは競争率が高すぎて難しいと思ったから、途中で菊地(AKB48の菊地あやか)に鞍替えしました。前に一般男性とのプリクラが出回ったこともあるし、服が似合ってるとかカッコイイって言ってもらえるのが楽しくて。名前も覚えてもらえたし、結構仲良くなれました」
「推しメンにする際の最優先事項は付き合えるかどうか」と断言するA山さんにとって、推しているアイドルが売れてメジャーになることはむしろ弊害。彼の握手会遍歴を見ても、小嶋陽菜(AKB48)→菊池あやか(AKB48)→大場美奈(AKB48)→木崎ゆりあ(SKE48)→小笠原茉由(NMB48)→勝田梨乃(SUPER☆GiRS)→根岸愛(ぱすぽ☆)とめまぐるしい(注:人気のある順番ではありません)。
「好きな曲とか、正直、まったく興味ないし、意味わからん(笑)。直に話しかけて、どれだけフレンドリーに接することができるか/あわよくば付き合えるか? がテーマすから。最近はスパガやぱすぽもメジャー感が出てきたので、さらにその妹分のグループに目をつけてます」
推しアイドルを花のように愛でて、「もっと大きな舞台で活躍してほしい」と願う古参からすれば、まるで逆の価値観。色恋的な視点でアイドルを見ることに、周囲のファンからの反感も当然あるんじゃ――そう質問する記者に対して、ことさらに語気を強める。
「あ、正直、アウト・オブ・眼中なんで(笑)。だって見た目からして汚いし、人としてありえないでしょ、あの人たち。いい年こいて何十枚もCD買って、正直気持ち悪いもん。俺がこじはるとかあいぽん(ぱすぽの根岸愛)だったら、絶対にイヤ、触りたくないっしょ。彼らが俺に勝ってるのは『昔からアイドルが好き』ってこと……ただそれだけ! それを偉いと思ってるのが、そもそも寒い」
そう言って敵意をむき出しにするA山さん。実際、握手会の現場で「近付くな、ブタ野郎」などと悪態をつくのは日常茶飯事。「寒い」を連呼するが、恋愛対象としてアイドルに迫ったところで、特に成果が無いのであれば、結局同じことといえそうだけど……。
「いやいや。名前は出せないけど、地下系のコなら、これまで何人かいただいちゃってます(ニヤリ)。指原の件(注:AKB48の指原莉乃。週刊文集がAKBオタの元カレの告白をスクープ)もあるし、アイドルがファンと恋愛しないって決めつけるのがそもそも間違い。今のAKBくらい大物になったら無理だろうけど、そもそも彼女たちは、可愛いわりに恋愛経験が極端に少ない、いわば狙い目の女ですから。競争相手もキモオタばかりだし、キャバ嬢オトすより簡単だと思いますよ」
アイドルには恋愛御法度という不文律があるだけに、運営サイドにしてみれば、煙たいのはピンチケのほうだろう。もちろん、楽しみ方は人それぞれだが、同じアイドルファンのくくりでも、古参とピンチケがまるで別人種、異なる価値観を持っていることだけは確かなようだ。 <取材・文/スギナミ>
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ