ドル高・円安の行方を決める「2つの条件」
※<資料1>はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=320608
ドルが120日線を上回ってきたのは、今年2月、6月に続いて今回が3回目です。このうち、6月は、ドルの120日線上抜けも一時的に終わりました。一方、120日線をドルが大きく上抜けた今年2月以降は、4月にかけてヘッジファンドなどの取引を反映しているCFTC統計の円ポジションは円売り越し、ドル買い越しが6万枚以上と今年最大になったのです(<資料2>参照)。
※<資料2>はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=320612
このように120日線を大きくドルが上回ったなかで、ヘッジファンドなどのドル買いが急拡大したのは、ヘッジファンドのなかでも、システム取引を行うモデル系ファンドなどは120日線を重視しているとの見方と符合しました。
そんな120日線を、久しぶりに大きくドルが上回ってきたのが、最近にかけてのドル高・円安なのです。CFTC統計の円ポジションは、10月16日現在で小幅にドル売り・円買いに傾斜していましたが、足元79円程度の120日線をドルが上回る状況が続くようなら、一転してドル買い・円売りを大きく拡大に向かう可能性は注目されるところでしょう。
◆第2条件=米金利はどこまで上昇するか
では、ドルが120日線を上回る状況が続き、そんなヘッジファンドなどのドル買いが続いたら、ドルはどこまで上がるのでしょうか。ドルの上値目処を決めるのは、<資料3>からすると、米金利ということになるでしょう。
<資料3>のように、今年のドル円は、日米2年金利差をドル下限とし、米2年金利をドル上限とした範囲で変動してきました。その意味では、ドル上値目処を決めるのは米2年金利ということになるわけです。
※<資料3>はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=320613
今年3月に84円までドル高・円安となったのは、米2年金利が0.4%近くまで上昇した局面でした。ここにきて、その米2年金利0.3%を久しぶりに大きく上回り始めましたが、ここから一段と上昇するかが、ドル高・円安の目処を決める一つの重要な手掛かりになるでしょう。(了)
【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi
●毎週動画 http://www.m2j.co.jp/fx_channel/
●FXの学校「アカデミア」 https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/
先週は一時80円を越えるなど、ドル高・円安へ急に動き始めました。この裏では、誰かがドルを買い始めたわけです。ではそれは誰かというと、主役の一人はヘッジファンドではないかと思っています。
◆第一条件=120日線をドルが上回っているか
最近にかけてのドル高・円安の大きな特徴の一つに、120日移動平均線を大きくドルが上抜けてきたということがあります(<資料1>参照)。経験的には、これは、ヘッジファンドなどのドル買い拡大につながるものです。足元79円程度の120日線をドルが上回っているなかでは、ヘッジファンドのドル買い拡大の影響が注目されそうなのです。
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