リサイクル法が生み出した「闇のゴミ」密輸マーケット
週刊SPA!11/13発売号「家電リサイクルが生んだ闇のゴミ」では、さらに密輸ルートのからくりに肉薄。また、増加する不法投棄やそれらの周辺に蠢く業者など、家電リサイクルが生んだ闇のゴミ事情を追っている。 <取材・文/SPA!闇スクラップ特別取材班>
「不用品回収します」――。
ネット上などでそう謳う業者に依頼すると、要らなくなった家電を格安の処分費で自宅まで回収しに来てくれる。
本来であれば、リサイクル法に定められた家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)は、メーカー責任の下、消費者がリサイクル料を支払って所定の手段で回収してもらわなければならない。
しかし、実情はリサイクル料よりも安い処分費で回収してくれる便利な回収業者に依頼が殺到。引っ越し業者も参入するなど、家電回収ビジネスは定着した感がある。
こうして大量に集められた家電はどこに消えていくのか。多くは、国内外に中古家電として販売されるのかと思いきや、実は意外な形で海外輸出されているというのだ。
実は現在、多くの「廃棄家電」が法の目を盗み密輸されているという。その背後にあるのが盗難品の売買や保管などさまざまな不良外国人犯罪の温床として、問題視されている「外国人ヤード」だ。
回収業が集めた家電のうち、国内での中古販売が不可能なものは外国人経営のヤードに集められる。
従来は、外国人ヤードに集められた家電は、中古車などとともに輸出されてきた。しかし、アジア各国の経済成長が進み、安価な中国製家電なども普及。日本製中古家電の需要は一気に低下し、アジア向け輸出では採算が合わなくなったため、集められた家電は「別の道」を辿ることに。それが消去法的にたどり着いた「スクラップ輸出」だ。
「金属不足の中国では銅や鉄などを高値で買い取ってくれる。しかし、テレビなどを国内でスクラップにするには、家電リサイクル法に基づいて処理しなければなりません。そんなにコストがかかっては、これまた採算が合わない。実際の現場は専用の分別シュレッダーで破砕するのではなく、重機などでただ潰し、コンテナに詰めて適当な品目で輸出するケースが多い。鉛などの有害物質も垂れ流しです」(回収業者・A氏)
こうして環境にも配慮しないスクラップごみができあがる。さらにここに「もう一つの仕掛け」を通じて、「スクラップごみ」ができあがり、中国などへと密輸されるのである……。
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