雑学

【ネット転売】在庫リスクゼロで利益を上げる裏技

イーベイ

海外オークションの定番「イーベイ」。注目され始めたのは5年前だが、円高ということもあり、最近の利用者は少なめ

 サラリーマンでも気軽にできる副業として人気なのが、ヤフオクなどのネットオークションを利用して利ざやを稼ぐネット転売。8年前からライター業のかたわら古本のせどりを中心に、アナログのレコード、食玩などの転売を手がけてきたY野さん(38歳)も、ネット転売に目をつけた一人。もともとそれらのグッズの収集癖もあることから、目利き力もあり、純利が30万円を超える月もあったという。

「最近は……さっぱりですね。3、4年前から市場は飽和状態です。平日の昼間、スマホを片手に相場を調べてる同業者らしき若者を1日に4人も見かけたときは、がく然としましたよ。こんな地味な商売をやる人間がこんなにいるのかと。そもそも希少本を高値を出して買う人なんてごく少数ですから、ライバルが増えていいことなんて何もない。さばききれない在庫を抱えて赤字は増えて一方だし、そろそろ見切り時かもしれません」

 落札価格帯を商品ごとに検索できる「オークファン」などを利用すれば、特別な目利きがなくても、仕入れ→転売することが可能。それも、ネット転売が人気を集めている理由の一つだが、競合ライバルが増えて稼ぎづらいという弊害も生んでいたようだ。

 また、「二束三文の値段で仕入れて高値で転売」なんて大当たりは100回に1回あるかないか。たいていは「仕入れ値の2,3割上乗せで売れればいいほう」という薄利多売の商売だけに、在庫抱えは致命的となりかねない。

「同時期に始めた人の多くは、アフィリエイトや転売のノウハウをまとめた情報商材に力を入れていて、純粋な“売り手”として稼ぎ続けている人は少ない」とY野さんは語るが、やはり在庫リスクがある以上、飽和状態のネット転売市場に旨味はないのだろうか。

「在庫リスクってみんな言うけど、別に店舗構えて商品を陳列しているわけじゃないんだから、バカ正直に仕入れてから販売する必要なんてないじゃないの。適当に画像だけ拾ってきて、注文がきたらそれより安く仕入れる――それだけで、在庫リスクなんてあるはずがない」

 そう語るのは、ネット転売歴3年のK村さん(30歳)。「ネットで出品して、仕入れもネットだから、PC一台で事足りる」と、いわゆる“後出しジャンケン”の理屈で利ざやだけを稼いでいるという。

 しかし、買い手もバカじゃない。ネットから販売価格より安く仕入れるといっても、K村さんが設定する売り値よりも安い商品を探す方法はいくらでもある。在庫を抱えないとはいっても、まったく買い手がつかないんじゃ意味がないのでは……。その疑問に対して、K村さんはこう答える。

「日本人向けにヤフオクやアマゾンで販売するなら、確かにそのとおり。でも、客が海外の人だったらどう? 日本の市場でしか出回ってない商品を海外のお客さんに向けて販売するわけだから、販売サイトに自分が設定した価格より安い商品がない限り、客が取られることはありませんよ」

 K村さんが利用するのは海外向けオークションサイトの「イーベイ」。扱う商品は日本製のフィギュア、アニメ関連商品がメインだが、もちろん、在庫の無い商品をあるフリをして出品するのは、後々仕入れる予定だとしても詐欺行為にあたり、イーベイの利用規約にも反する。

「裏の手口であることは十分承知してるけど、仕入れが難しい商品を出品することはないし、実際、仕入れが出来なくて詐欺行為になったことはない。そもそも、イーベイなどの海外サイトが“仕入れの後出しジャンケン”に適した理由は、少なくとも3つあるんです」

 イーベイなどの海外サイトが後出しジャンケンに適した理由を整理すると以下のようになる。

1:価格設定が容易である

販売するのは海外に出回っていない“メイド・イン・ジャパン”の商品。買い手は欧米人が中心なため、日本語で書かれた販売サイトで価格チェックをする人はほぼいない。単純にイーベイで売られた日本の商品を検索。仕入れ先をネットで見つけて、その価格より2、3割上乗せした額で出品すればいいわけだ。

2:競合が少ない

円高のいま、「日本→海外の輸出では儲けが出ないのでは?」と考える人は多く、日本人のセラーは減少傾向にある。「1.価格設定が容易である」とも重複するが、競合が少ないということは、同じ商品がイーベイに出回ることが少なく、同時期にダンピング合戦になる恐れが少ない。

3:日数がかかっても問題ない

ヤフオクなど日本のオークションサイトで評価を得るには、「入金を確認→即送付」が原則。ところが海外向けであれば、もともと商品の到着までに日数がかかることもあり、商品到着の目安は「10日前後」が通常。その前提もあり、そもそも商品の到着にそれほどスピードを求めない買い手が多く、また、細かい日数に目くじらを立てない欧米人の気質もある。落札が決まってから仕入れにかかるタイムラグは解消されるのだ。

 この手法、利用規約に反するということもあり本誌としては推奨できないが、現在、粗利だけで月80万円というK村さんの稼ぎっぷりを見る限り、在庫リスクを抑えることは、ネット転売で安定的に稼ぐための必須事項であることだけは確かなようだ。

テラピーク

出品価格の設定にK村さんが利用しているのは「テラピーク」。日本語版もあり、イーベイに出品される商品はすべて網羅されている

<取材・文/スギナミ>





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