原価は150円以下!弁当男子(サラリーマン)の本音に迫る
―[サラリーマンのデフレランチを拝見]―
新生銀行が全国2000人のサラリーマンを対象に行なったアンケートによると、昼食にかける平均額は510円だったという。’01年には710円あった昼食代が’07年には600円を割り込み、その後も下落は止まらず、今回の平均額は12年前と比べると約3割も減少した格好だ。先の見えないデフレ時代のデフレランチ。その実態を迫った!
◆“弁当男子”の本音とリアル弁当を探る!
ひと昔前まで男の弁当といえば、恵まれた既婚者の愛妻弁当が定番だった。しかし最近では不況の影響もあり、やむを得ない事情を理由に弁当を持参する人が少なくない。
「約10年前までは、1000円前後の外食ランチを楽しんでいました。それが約5年前から、500円の宅配弁当になり、今はほぼ自作弁当。原価は150円以下に抑えるようしています」
こう語るのは、都内IT企業に勤める、土屋和敏さん(仮名・48歳)。単身赴任中なので世帯としての支出は上昇、しかし給料は横ばい状態。娘2人の進学を考えれば、節約に精を出さざるを得ない。
「辛いのはレパートリーが少なくて飽きがくるうえ、“まずくない”程度の味なこと。でもここまでして浮かしたお金なのに、ときどきパチンコですっちゃたりするんですよね(苦笑)」
約2年前に結婚した団体職員の鈴村明彦さん(仮名・31歳)の場合は、結婚と同時に共働きの妻の分まで、弁当を作り始めた。
「結婚当初は披露宴をするために、節約の一環として弁当作りを開始。その後も、分譲マンションの購入、妻の妊娠、自分の大学及び大学院の奨学金の滞りのない返還、いつか行きたい旅行など、さまざまな目的・目標ができたので、そのまま続けています」
奥さんが朝・晩のご飯を作ってくれるので、その残りが活用でき、なんとか挫折しないでこれたそう。
「原価を考えると、やはり一食150円程度ですかね。ちなみにスーパーの安売りには敏感になりましたし、買い物時にはポイントを必ず貯めます。気がつけば節約テクニックが上がりましたね」
専業主婦顔負けの買い物の豆知識を嬉々と語る彼にはデフレの悲壮感はなかった。
※アンケートは都内勤務のサラリーマン、公務員、団体職員100人を対象に実施
― サラリーマンのデフレランチを拝見【5】 ―
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