更新日:2012年12月24日 09:05
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盗撮犯に裁判官がアドバイス!?【2012年・法廷10大ニュース】

スカイツリー開業にロンドン五輪と、今年もいろんなことがありました。が、ニッチな世界の出来事も、大きな世界の潮流を映し出す。というわけで、さまざまなジャンルのウォッチャーたちに今年の10大ニュースを聞いた! 【ココロに響いた裁判】話題の事件のその後から法廷での珍事まで
阿曽山大噴火

阿曽山大噴火

 裁判傍聴を日課とする阿曽山大噴火氏。今年、印象に残った裁判を挙げてもらったが、「今年らしさ、というのは実はないんです」と言う。 「昨年は震災直後ということもあり、被告人が『ボランティアに行きます』と反省を示すケースが多かったのですが、今年はそれもなくなり……ここ数年、盗撮事件が増えているということくらいかな」  第3位で紹介した盗撮事件裁判の珍妙なやりとりも、事件の増加からか、検察や裁判官が妙に詳しくなったことが原因のよう。 「おもしろかったですよ。動画で撮影し即消去したという被告人に弁護人が『せっかく撮ったのに?』と言うのは、ネットへの流出など第二第三の被害はないというアピール。でも、検察官が『後で見て楽しむものでしょう?』と言えば、裁判官は『残すほどの価値もなかったの?』『本屋さんは万引も多いから警備員も多いよ』とアドバイスし出すのですから(笑)」  阿曽山氏が傍聴にハマるのは、 「事件の内容よりは、裁判官、検察官らの素の部分が見えるやりとりがおもしろいから」。2013年、事件の増加は望まないが、“裁判劇場”はちょっと楽しみでもある。 ●1位 元オウム・菊地直子を愛し・匿った高橋寛人 「結婚を断られた理由が『指名手配犯だから』など、想像を超えていて、なにか物語を聞いているみたいだった」 ●2位 19歳からスリを重ねた「デパ地下の房子」 前科12犯の塚本房子(77)。今回は被害者のバッグに裸で入っていた札束を盗んで捕まり「あれは罠だ!」と抗弁 ●3位 動画消した盗撮犯に裁判官「保存すればいいのに!」 盗撮するも「動画はすぐに消去」と話す被告人に、裁判官が「後で楽しむものでしょ?」「PCに保存すれば」と助言!? ●4位 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』作者を脅迫 「老齢の弁護人が『俺いも』と連呼。『最新刊も買わない』と言った被告人に美人裁判官が真剣に詰め寄る姿に苦笑」 ●5位 秋葉原通り魔事件加藤智大の控訴審 「控訴審初公判に出廷せず。一審では自分のしたことに真摯に向き合っているようにも見えただけに、これには落胆」 ●6位 女性に強制わいせつの男性「同性愛だから」と言い訳 「酔っていて覚えてないが私は同性愛者」との被告人弁に「酔うと異性愛になるの?」と裁判官が的確すぎるツッコミ ●7位 陰茎露出で逮捕の塾講師あまりにKYな反省の弁 「人生の修行として生まれ変わる」を5回以上繰り返した被告人に、裁判官は「この法廷の雰囲気わかってます?」 ●8位 婚活詐欺女・木嶋佳苗裁判でも男性を魅了!? 「濃いグレーのジャケット・格子柄のスカートという皮肉な服装で登場。男性裁判員のチラ見回数の多さも印象的」 ●9位 渋谷のライブハウスで放火未遂容疑の男に判決 「歌舞伎町のライブハウスを狙ったがヤクザが怖かったと証言するなど、被告人の揺れ動く心中が興味深かった」 ●10位 『創』編集長が投稿常連者の証人出廷 万引常習犯の被告人は『創』の読者コーナーの常連。面識はない編集長が出廷し、「何かあれば助けたい」と証言 【阿曽山大噴火】 裁判ウォッチャー。大川豊興業所属。裁判ウォッチャーとして、テレビ、ラジオのレギュラーや、雑誌、ウェブサイトでの連載を持つ。著書に『裁判狂事件簿』など ― 2012年ニッチな世界のジャンル別10大ニュース【4】 ―
裁判狂事件簿

報道された事件は、その後どうなったのか?ドラマは裁判にある

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