選考委員が振り返る「日本カー・オブ・ザ・イヤー」【後編】

今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは、トヨタとスバルが共同開発した86/BRZ、クリーンディーゼルのCX-5、ガソリン、ハイブリッド、ディーゼルを取りそろえた3シリーズ、SUVにクーペのデザインを持ち込んだイヴォークなど、悩みどころ満載の10車種からCX-5が選ばれた。大接戦だった今年のCOTYを振り返る―― 西村直人=文 Text by Nishimura Naoto ⇒【前編】はこちら ◆実行委員会特別賞は86/BRZ  そして、私が10点満点を配したのが86/BRZ。スバルとの協業発表から5年で誕生したことに加え、プリウスPHV、アクアなどのハイブリッドカーと同じ年に誕生させたことに存在意義を感じた。
86/BRZ

実行委員会特別賞は86/BRZ(トヨタ/スバル)に。ベースが同じで異なる車種が賞を獲得した例は、'80年のCOTYに輝いたカペラ/テルスター(マツダ/フォード)以来

 86/BRZを評価するうえで、走る楽しさを尺度にする風潮があるが、オーナーとしては楽しさを追求するというよりも、スポーツモデルを所有する歓びのほうが高いのではないかと思う。開発責任者であるトヨタの多田哲也氏は「売りっ放しにせず、中古車市場でも輝く存在としていく」と明言。パーソナルモビリティにも採り入れていきたいスポーツモデルとしての演出にも共感を覚えた。 日本カー・オブ・ザ・イヤー 昨年のイヤー・カー「リーフ」が522点獲得したことから考えると、CX-5の363点は60名からなる選考委員の評価が総じて辛かったのかと感じてしまうだろうが、今年の10ベストカーは各車個性が強く、販売価格帯にしても現実的なものが多かったため、選考委員が大いに頭を悩ませた結果と見るべきだろう。 【2012-2013日本カー・オブ・ザ・イヤー得点表】 1位 CX-5(マツダ)363点 2位 86/BRZ(トヨタ/スバル)318点 3位 3シリーズ〈セダン/ツーリング〉(BMW)282点 4位 レンジローバー イヴォーク(ランドローバー)218点 5位 up!(フォルクスワーゲン)152点 6位 ワゴンR/ワゴンRスティングレー(スズキ)68点 7位 DS5(シトロエン)51点 8位 ジュリエッタ(アルファロメオ)29点 9位 ノート(ニッサン)10点 10位 N BOX/N BOX+(ホンダ)9点 ― 大接戦の末、今年のCOTYに輝いたのはマツダCX-5!【2】 ―
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