【モンスター姑の恐怖】息子と娘と旦那が突然消えた…
いつの世も嫁姑戦争は後を絶たない。巷には嫁姑の壮絶なエピソードもいたるところに転がっている。年末年始に旦那の実家に帰省することで、気が滅入る女性も少なくないだろう。そんな中、記者の親戚で実際にあった嫁姑話を紹介したい。
共働きの横山夫婦(仮名)は、2005年にできちゃった婚で結ばれた。長男誕生の翌年には、長女も生まれ、夫の智久さん(31歳・仮名)は東京の某一流企業に勤務、妻も子供が大きくなると、共働きを始めた。一見、現代的で幸せそうな夫婦に見えた。
妻の直子さん(28歳・仮名)の唯一の悩みは、義母との関係。子育てから食生活や細かい生活習慣まで、電話や直接会うたびに口うるさく言われるのが気に障ったそうだが、実家は九州にあるためあまり深刻には考えてなかった。しかし、結婚から数年が経った頃、旦那がことあるごとに「実家に帰って家業を継ごうかな」と口にするようになったという。
「旦那の実家は地元で有名な商店でした。でも、実家には旦那の兄と弟も同居しているし、口だけだと思って相手にしていませんでした」(直子さん)
そんな矢先に事件は起きた。2010年の4月某日、直子さんが家に帰ってくると車がない。家には鍵がかかっていた。
「最初は、今日は旦那が幼稚園に子供たちを迎えに行く日だったので、3人で外に買い物にでも行ったのかと思ったんですけど、居間に行ってみるとテーブルの上に書き置きがあったんです」(直子さん)
その書き置きにはこう書いてあったと言う。
「今日、会社を退社してきました。子供二人を連れて実家に帰ります」
「初めは何かの冗談かと思いました。でも、いつまでも帰ってこないので携帯に電話したんですけど、一向に出ないし深夜になっても帰ってこない。これはさすがにおかしいと思い、気になってタンスを見たところ、実印と夫婦共同の貯金通帳とキャッシュカードも持って行かれていました。車も夫婦共用で使っていたもの。『これは本当だ』と気付き、深夜に泣きながら、自分の母親に電話をかけました」(直子さん)
これを聞いた直子さんの父親が九州の家に電話すると、「お宅の娘さんのしつけがなってないので、子供たちはこちらで育てます」と一方的に電話を切られた。
直子さんの父は大激怒。すぐさま、弁護士に相談をし、子供たちを取り返す準備を始める。
「すぐに家庭裁判所に訴え、子供を直子さんの下へ返すように九州の実家に判決の命令が出ました。判決が出るまで1か月くらいかかりましたね」(直子さん)
まず4歳の長男が九州で通っている幼稚園に裁判所の人間が出向き、事情を説明すると幼稚園の人も「そんな事情とは知らずにお子さんを預かってしまい申し訳ありませんでした」
すぐに長男は返ってきた。厄介だったのは2歳の長女の場合。
こちらは幼稚園に通っていなかったので九州の家まで裁判所の人間が出向いても最初は「子供は返さない」の一点張り。しかし、裁判所からの再三の命令に加えて、長男が居なくなりさすがに異変に気付いた長女も「ママのところに帰る」と泣きわめいて暴れだしてしまい、最終的には智久さんが新幹線で東京まで子供を連れて帰ってきたという。
この一連の騒動の黒幕は、智久さんの母親。仕事を辞めて直子さんには内緒で実家に帰ってくるのも、全て智久さんの母親の指示だったという。
数年後、家庭裁判所の判決により正式に離婚も成立。当然、親権も直子さんの元へ。久々に直子さんに会った智久さんはこう漏らしたという。
「自分は今まで全部母親のいいなりになっていて、今回初めてとんでもないことをしでかしたんだと気付いた。俺は仕事も辞めてしまったし、これからは実家で生きていくしかない。本当に申し訳なかった」と謝罪を受けたそうだ。
さすがにかわいそうになり、今でも年に数回は子供に会わせているという……。 <取材・文/トモMC>
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