米国の対日ドライ姿勢不変なら円安誘導大丈夫?
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安倍新政権が希望した1月の日米首脳会談の実現はどうやら難しそうです。これを見ると、日本の政権交代でも、米政権のドライな対日姿勢が変わったわけではなさそうです。その意味では、最近にかけてのドル高・円安も、米政権が特に寛容な結果でもなさそうだということは、少し意識する必要があるのではないでしょうか。
◆自民政権復帰でも日米関係変わらず
日米関係は、このところ米国に対する日本の「片思い」といった印象が強くなっていました。沖縄の米軍基地移転問題での、当時の鳩山総理の「トラスト・ミー」発言。そして最後の民主党総理大臣、野田総理の初の首脳会談の際の、オバマ大統領の冷ややかな表情。
そのような米政権の対日ドライ姿勢は、あくまで日本の民主党政権に対するもので、政権交代によってどれだけ変わるかは、かすかに注目されるところでした。安倍自民党総裁のドル高・円安誘導発言に、米政権がこれまで基本的に黙認した形となったことも、対日姿勢の変化の可能性を注目してみたくなる要因だったでしょう。
ただ、これまでの報道によると、オバマ政権は、安倍総理が希望している早期の日米首脳会談も多忙を理由に断ったようです。これは、自民党の政権復帰でも、米政権の対日ドライ姿勢が大きく変わるほど単純な話ではないことを感じさせるものでしょう。
◆ヘッジファンドが円売りを止めた理由は?
これを、為替相場にどの程度参考にできるかは微妙なところ。ただ一つ気になるのは、ヘッジファンドなど海外投機筋の手口の参考データとなるCFTC統計では、海外投機筋は12月中旬でドル買い・円売りを一段落し、最近の90円に接近するドル高・円安局面では、むしろドル売り上がりに動いた可能性があるということです。
うがった見方をすると、これは、引き続き対日ドライ姿勢に大きな変化のない米政権は、必ずしもドル高・円安に対して大きく寛容に変わったわけではなく、むしろそろそろそれを確認するタイミングが近くなっていることを、示唆しているのではないでしょうか。(了)
【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に
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