「愛妻家こそスワッピングにハマる」の怪
複数の夫婦、恋人がお互いのパートナーを交換して性行為に及ぶスワッピング。カップル喫茶、ハプニングバー全盛時代に、交換相手を募集する専門誌が実売5万部を超えたこともあり、すっかり認知されるに至ったわけだが、その愛好家の実態はなかなか見えてこない。
遊びつくした金持ちの遊戯、ノーマルなSEXに飽きたアブノーマル夫妻、嫁(彼女)が極度のM女――漠然としたイメージしか湧いてこないし、少なくともそこには“おしどり夫婦”という姿は見えてこない。しかし、「スワッピングこそ究極の夫婦愛」と語るのは、スワッピング愛好歴10年のM木さん(46歳)。結婚して3年目、ネットのスワッピングサークルを通じて奥さんとこの道に入った。
「よく漫画なんかじゃ、倦怠期の夫婦がマンネリ打破のためにこの世界に入るとかいうけど、そんなことはまずありませんよ。僕の回りの愛好家たちは、プライベートで週2、3回の夜の夫婦生活は当たり前。みんなセックスフルのご夫婦ばかりですから」
普段の夫婦間のセックスは、特に変態プレイに走るわけでもなく、それは新婚当初から変わらないという。それではなぜ、アブノーマルプレイの最右翼ともいえるスワッピングに走ったのか?
「嫁が大好きなんですよ。こんなイイ女と結婚できて幸せだって心の底から思えるんです。で、『こんな魅力的な女性を自分だけ独り占めしてるのはつまらない。もっと他の男にも嫁の魅力を知ってほしい』と思うようになって……。最初に嫁を説得するときは、その思いをそのまま、素直に伝えました」
「アナタがそこまで言うなら……」と奥さんも承諾(んなアホな!)、以来10年間で、100人近い他人の男に、奥さんを抱かせているという。
「プレイ中も、目がいくのは僕がセックスをしている女性ではなくて、嫁とその相手。特に男の表情に注目しますね。『どうだ、うちのワイフは? こんなイイ女、これまで抱いたことないだろ?』って感じで(笑)」
話を聞いているとM木さんだけの特殊性癖の気もするが……。熟年夫婦の性事情に詳しいAV監督の溜池ゴロー氏は次のように語る。
「スワッピング愛好者には大きくわけて二種類あって、大半がナンパした女やセックスフレンド、浮気相手と参加するケース。そしてもう一つがM木さんのように、本命の彼女、嫁と参加するケースです。前者は使い捨て感があるというか、パートナーに対してそれほど愛情を持ってないと思われます。ただ、後者のケースでいえば、やってることは変態そのものですが、常人では計り知れない愛情を持っている方が多いです。私のところにも、『奥さんを好きで好きで仕方ないんで、監督にハメ撮りしてほしいです』なんて依頼はけっこうきますよ(笑)」
愛妻家と変態は紙一重ってことか。確かによくよく考えてみれば、四十を超えても週に2、3回のセックスフル夫婦って、それ自体が変態的にも思えてくる。<取材・文/スギナミ>
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