パン屋とスピリチュアル系の店の「ハズレ」確率が高い理由
―[「ハズレ」を掴まない技術]―
◆女性向けの商売はイメージ優先になりがち。ハズレを掴む危険性が高いから要注意です!
ハズレ物件を掴まぬよう、基本的には入念な下調べをしてから店に入るという辛酸なめ子氏。だが、やはりとんでもないババを引いてしまうこともある。そんなときは「人間としての本能が衰えてしまった……」と自分の嗅覚に絶望するという。
「エステ、カフェ、美容院……こうした女性向けの商売は、店内レイアウトなど、ふわっとしたイメージが実態よりも優先される。そのため、非常にハズレを掴まされる危険性が高いですね。あと、パン屋もイメージ重視の商売なので、おしゃれな内装やメニューでごまかされがちだったりします」
なめ子氏によると、ハズレ確率が高いジャンルは占いなどのスピリチュアル系が挙げられるという。
「パンフレットがダサいところは要注意。よくわからない顔がモチーフになった服や、天女のようなワンピースを着ていたりしたらまずアウト。やたら金運が上がるとアピールするのも危険かな。浮世離れしすぎず適度にストイックでセンスがいいところが信用できる」
ほかにも疲れ切って入ったマッサージ店で店員がゲロを吐きだしたり、コーヒーが飲みたくて入ったカフェが豆を切らせていたりと、飛び込みで入った店では失敗ばかりというなめ子氏。こうした失敗を避けるため、普段から女性誌をよく読むそうだ。「なんだかんだ言って、記者がちゃんと選んでいるから信用できる」というのがその理由。フリーペーパーやネットより広告要素が少ないのは事実だ。
「ごはんを食べるとき、躊躇なく知らない店に入る人がいますよね。あるいは、まずくても絶対に文句を言わない人。そういう人は、そもそも味にこだわっていないんですよ。だからハズレは掴まない」
言われてみればその通り。ただ、それで幸福かは別の話だが……。
【辛酸なめ子氏】
’74年、東京都生まれ。漫画家、コラムニスト。セレブやアイドル、芸能人をウオッチングしつつ、シニカルな毒を連発。熱狂的なファンを掴む。最新作は『セレブの黙示録』(朝日新聞出版)
取材・文/浦和ツナ子 浜田 彩 増山かおり 林バウツキ泰人 田村竜馬 小野田 衛 野中ツトム・中村未来(清談社) 長谷川大祐(本誌) イラスト/石井匡人
― 「ハズレ」を掴まない技術【9】 ―
『セレブの黙示録』 辛酸なめ子氏による「海外セレブに学ぶ 女子力向上」のヒント |
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