R-30

「後輩が足らない!」サラリーマンの嘆き

 1/29発売の週刊SPA!では『サラリーマンを蝕む「後輩が足らない!」症候群』という特集を組んでいる。その被害レポートの一端を紹介しよう。

●小野信一郎さん(仮名)38歳
電機機器製造メーカー勤務
月間労働時間/300時間
年収/600万円
部署の平均年齢/42歳

イラスト/サダ キャリア10年、電機機器関連の精密機器の開発に携わっている小野さんは、約10名の部署で開発を任されているが、38歳にして最年少。聞けば仕事としてのやりがいは確かにあるものの、体力的な負担が年を追うごとに増しているのを実感するという。

「役付きの上司たちはキッチリ定時で、『あとはよろしく』と言って早々に帰ってしまうので、その前につかまえてあれこれ打ち合わせをしたり、確認事項を済ませておかないといけません。ですから、日中は打ち合わせに追われ、ほとんど自分の作業が出来ません。朝8時に出社しても夕方からようやく本格的に仕事に取りかかるので、日付が変わる前に退勤できる日はごくわずか。忙しいときは深夜の2時、3時に退勤することもざらですね。もうすぐ40歳ですが、日中、強烈な睡魔に襲われることも増えましたし、さすがに徹夜はしんどくなってきました。こなせるうちはいいですが、正直なところ、体力がいつまで持つのかとっても不安です」

 にわかには信じ難いほどの激務だが、なぜ、そんな過酷な状況に陥ってしまっているのか?

「作っているモノがあまりにも専門的すぎるので、そもそも熟練していないと務まらない特殊な職場なんです。技術者として一人前に育つまでおよそ5年はかかります。せっかく若い新入社員が入ってきても、最近の若い世代は我慢がないせいか、激務に音を上げて3年と続かないんですよ。私の下に入った後輩は10年で5人も辞めてしまいました。まあ、後輩を育てるとなるとますます労働時間が増えるだけなんですが……」

 後輩がまったく定着しない状態が続く中、会社からは作業の効率アップばかりを要求され、ますます負担が増えていくばかりの小野さん。このままではパンクするのも時間の問題である。

「毎月、社内で行われる定例会議がいくつかあるのですが、中には形式的な報告だけがダラダラ続き、何も産み出さない『地雷会議』があります。これに引っかかるとただでさえ時間がないのに加え、作業時間が削られてとんでもないロスになってしまう。最初の頃は地雷かどうか見分けられず、かなり痛い目に遭いましたが、おかげで今は出席メンバーの名前を見ただけで地雷会議かどうか分かるようになり、とにかく理由をつけて逃げ回ってます。しいて言うならば、これが私が編み出した“効率化”ですね(苦笑)」

 そう力なく笑う小野さんだが、激務そのものを改善する解決策はなく、体力頼みの日々は続く。 <取材・文/中村裕一 イラスト/サダ>

週刊SPA!2/5・12合併号(1/29発売)

表紙の人/SKE48

電子雑誌版も発売中!
詳細・購入はこちらから
※バックナンバーもいつでも買って、すぐ読める!




おすすめ記事