「仕方ない」と思わせる断りメールのコツ
今や、メールは日本人の基本的なコミュニケーション手段のひとつ。しかし、書く機会が増えた分だけ、「正しいメールの書き方」に頭を悩ませている人も多いのではないだろうか。今回はビジネス編「断りメール」のポイントを解説する。
◆「それなら仕方ない」と思わせる断りメール
断りメールでは、どこに「ゴール」を置くかが問題。今後も良好な関係を続けたいなら、たとえ無理な注文であっても、「本当はやりたかったのに」という気持ちを入れること。もし大切なビジネスパートナーなら、最後に「2、3日余裕をいただければ」といった期限延長の交渉や、ときには「弊社ではなくB社なら対応できるかも」などの“代案”を示すのもアリだ。
◆長文メール例
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件名:「●●●」のご依頼について
□□様
いつもお心づかいいただきありがたく思います。
○×社企画部のSPA!太郎です。
この度は弊社にお仕事のご依頼、誠にありがとうございます。
ご期待に応えるべく社内で日程を調整してみました。
しかしながら、ちょうど今の時期は弊社に時間の余裕がなく、
ご指定の期日だと御社にご満足いただける結果を出すのが難しい。
それが正直なところでございます。
これではせっかく弊社をご指名いただいたのに、
かえって□□様にご迷惑をおかけすることになってしまいます。★ポイント1
何卒ご容赦ください。
日頃からお世話になっております□□様と
ご一緒できないのが本当に残念です。★ポイント2
もし期限に2日ほど余裕をいただけるなら、
ご希望に応えることもできるかと思います。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
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★ポイント1:「かえって迷惑をかけてしまう」と書くことで、「あなたのためにも」というニュアンスを加えることができる。これだけで印象はずっと良くなる
★ポイント2:今回は断るといっても、相手は今後も関係が続くビジネスパートナー。必ず「本当はやりたい」という気持ちを伝えよう。次のチャンスに繋がるぞ
◆変化球メール例
『無念です!』
文章全体から「やりたくてもできない」悔しさがにじみ出ていて、この人なら次回も相談してみようという気になった(30歳・IT)
『でも、これでいいご縁ができました』
初めて仕事の相談をしたが、日程が合わずNGに。それでも、ひと言あったおかげで「いつか一緒に」と思えた(37歳・デザイナー)
『猫の手も借りておりますが、間に合わず……』
思わず、「じゃあ仕方ないですね(笑)」と返信してしまった。ただ「忙しい」と言われるより、ずっと悪い気がしない(33歳・飲食)
【平野友朗氏】
アイ・コミュニケーション代表。日本初のビジネスメール教育事業を立ち上げる。著書に『ビジネスメールの常識・非常識』など多数。長文メール例は平野氏の監修によるものです
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