ミニバブルの宴は何年も続かない!?

◆マネーな人々 今週の銭格言
【選者】政治経済学者 植草一秀氏

円安・株高の市場反応は今後もしばらく続き、日経平均株価が1万6000円を超えてもまったく不思議はない。安倍首相の鼻息はますます荒くなりそうだが、インフレには、重大な落とし穴があることを見落としてはいけない。

◆絶好調のアベノミクスがもたらすインフレは、本当に正義の味方なのか【後編】⇒【前編】はこちら

 ’02年から’08年にかけて、日本の消費者物価上昇率は着実に切り上がった。特殊な政策を実行していないのに、インフレ率がマイナスからプラスに転じたのである。

 日銀の体制が刷新されれば、日銀券のバラマキに近い政策が実行されることになる。インフレ率が上昇し始めるのに、あまり長い時間は必要ないかもしれない。

 日銀新体制が定める当面のインフレ率2%の方向に、現実がシフトすることになるだろう。

 問題は、その認識が市場に広がるとき、金利が方向を変えることだ。つまり、金融緩和=円安=株高の流れが、円安=金利上昇=株安の流れに反転する局面が、いずれ訪れると予想されるのだ。

 日本では’72年の株高が、’73年にはインフレ=株安に転じ、’89年までの円高=金利低下=株高が’90年以降、円安=金利上昇=株安に転じた過去がある。

 当面、日本はミニバブルに沸き立つだろう。しかし、その宴が何年間も永続すると考えるのは、かなり甘い。

アベノミクス

消費者物価指数の上昇率の推移を見るに、'02年から着実に切り上がっている。'08年にサブプライム金融危機が発生していなければ、インフレ率2%の方向に推移していたのは確かだろう

【今週の数字】
インフレ率目標
2%
安倍首相が主導した日銀人事により、リフレ派の総裁・副総裁が誕生。彼らは2%のインフレ目標を掲げた以上、中途半端は許されない。だが、その前のめりのスタンスが現実のインフレを招く頃、事態は暗転か

植草一秀【植草一秀氏】
シンクタンク主席エコノミスト、大学教授などを経て、現在はスリーネーションズリサーチ(株)代表取締役。ブログ「植草一秀の『知られざる真実』」も人気。著書に『消費増税亡国論』(飛鳥新社)

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