消費税10%になると日本経済は墜落する
メディアは消費税増税の影響を「軽微」と伝えてきた。しかし、発表される経済指標はこの報道とは異なり、かなり深刻な消費の冷え込みが確認されつつある。’15年10月の消費税増税が実行されれば、日本経済は墜落しないのか?
◆家計消費が急速氷結!消費増税10%で日本経済は撃墜か!?【後編】(政治経済学者 植草一秀氏)
⇒【前編】はコチラ
安倍政権はインフレ誘導を目標に掲げてきたが、インフレを喜ぶのは企業だけだ。インフレ分だけ実質的に賃金を抑制できるからインフレがありがたいのだ。一方、労働者や年金生活者にとって、インフレは百害あって一利なし。そのインフレと増税が人々の懐具合を氷結状態に陥れている。
日本経済はすでに’14年の2月頃をピークに景気後退局面に移行した可能性がある。この状態で、来年10月の消費税再増税を決めれば、日本経済は本格的に墜落してしまうだろう。
幸い株価はすでに割安の状況にあり、一段下落の心配は少ないが、事態を改善するには、まずは、増税先送りを決定する必要がある。
【今週の数字】
5月の家計消費の前年比
-8.0%
既定路線だった4月の家計消費の落ち込みとは異なり、5月の消費激減は波紋を広げている。過去2回の消費税増税と比べて今回は消費の落ち込みが明確な深刻さを示す
【選者】植草一秀氏
シンクタンク主席エコノミストなどを経て、現在はスリーネーションズリサーチ(株)代表取締役。ブログは「植草一秀の『知られざる真実』」。7月に『日本の真実-安倍政権の偽計と幻想-』(仮題、ビジネス社)を刊行予定
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